まだ見えぬ「PlayStation VR2」の本当の姿――歴史と「いま分かること」から予想する(1/3 ページ)
1月5日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、米・ラスベガスで開催中の「CES 2022」会場でのプレスカンファレンスの中で、かねてより開発中であった「PlayStation 5向けのVRデバイス」の名称が「PlayStation VR2」となることを公表、同時に、いくつかのスペックについても開示した。
デザインや価格、発売時期などは未公表で、どのような製品になるのかを正確に描き出すのは難しい段階だ。
だが、公表済みの情報からも、PlayStation VR2(以下PSVR2)の商品の特性や「他のVR機器との違い」は予想できる。
PSVR2はどういうものになるのか、そして、今後増える「新世代VR機器」の中でどのような位置付けになるのかを考えてみたい。
PSVR「1」とはどんな製品だったのか
ちょっと回り道になるが、PSVR2の前に、PSVRの歴史を振り返ってみよう。ここを理解するのが、PSVR2を理解する近道になるからだ。
現在販売されているPSVR「1」は、PlayStation 4(PS4)向けのVR対応周辺機器として、2016年10月に発売された。開発計画自体は2014年に「Project Morpheus」として発表されている。
ソニーはPlayStation向けのVR機器をかなり長期間にわたってリサーチしていたが、2012年に開発キットが登場した「Oculus Rift」初代機の持つ、「魚眼レンズ+PC側での映像補正で視野角を拡大する」というアプローチの影響を受け、当時のメインストリームであるPS4に特化したハードウェアとして開発されたのがPSVRだ。
そういう意味では、2012年から続く「初期のVRデバイス」世代に属する製品といえる。
PSVRの特徴は「PS4に特化した機器である」という点だ。ここは、PSVR「2」がPlayStation 5(PS5)に特化した機器とされていることと同じである。
PS4は1920×1080ドット/60Hzの表示をターゲットとしたゲーム機であった。2016年には4K(3840×2160ドット)への対応を強化した「PlayStation 4 Pro」が出ているが、とにかく、PS4世代としてのターゲットは「1920×1080ドット/60Hz」だった。これはあくまでターゲットなので、ゲームの内容が複雑になると解像度・画質の維持が難しくなる。
VRにおいては特にフレームレートが重要。不連続で低いフレームレートの描画は現実からの乖離が大きくなるので、強い「酔い」を引き起こすからだ。
それでなくとも、VRはゲーム以外の映像を空間に表示したり、音を3D化したり、自分の位置を把握したりと、処理負担は非常に大きい。
そこで「PS4世代のVR機器」としてPSVRが目指したのは、「大変なことは専用ハードウェアに任せる」というアプローチだった。
本体に加えて「プロセッサユニット」という専用ハードウェアを用意し、さらに、自分の位置把握は外付けのカメラでライトを認識する形だった。
外部のカメラで位置を把握するシステムは、2010年10月に「PlayStation 3」用として発売された「PlayStation Move」で使われていた技術の応用であり、ハンドコンローラーはPlayStation Moveそのものだった。そもそもこの技術は、2000年に当時のソニー・コンピュータエンタテインメント・ヨーロッパで開発された「EyeToy」という技術をベースにしているので、非常に息の長いものだった。
結果として、PSVRは、トータル価格ではゲーミングPCより安価にVRシステムを構築できた。
だがその代償として、「大量のケーブルと周辺機器をつなげて使う」という大きな欠点が生まれることになった。以下の画像はPSVRの公式ビデオだが、「接続設定の解説ビデオが必須」なくらい面倒であった、ということでもある。
当時の判断としては分かるし、結果として2012年以降の「VR第一世代」の体験としては良いものだったと思うが、「複雑さ」がゲーム機の持つ良さをスポイルしていたのも間違いない。
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