分かりにくいけれど面白いモノたち

大根おろしに起きたパラダイムシフト 燕三条の金属加工メーカーが取り組んだ9900円の名品「17°」(3/5 ページ)

知らずに便利に使っていたハサミ

 私がメーカーのことはあまり知らないまま便利に使っていた、素人でも失敗せずに使える理容ハサミ「家庭用ミニカットはさみ」(8360円)、「家庭用ミニすきはさみ」(9900円)も実は、シゲル工業の製品だった。

photo シゲル工業の「家庭用ミニカットはさみ」(写真右:8360円)、「家庭用ミニすきはさみ」(写真左:9900円)は、わが家の愛用品。とにかく切れるし扱いやすいので、素人でも失敗せずに髪を切ることができる。髪を切るハサミは、とにかく切れ味が良くないと話にならないのだ

 プロ用のハサミ同様の切れ味と、素人が扱いやすく、切りすぎることのないコンパクトなサイズの「家庭用ミニカットはさみ」と、同じく、最高の切れ味を実現した上に、通常20本ほどを梳くところ、10本程度に抑えた「家庭用ミニすきはさみ」のセットは、コロナ禍の中、わが家が理髪店に行かずに済む程重宝したものだ。もともと人気製品だったのだが、コロナ禍の中で、さらに売れてベストセラー製品になったという。現在も公式サイトでの人気ナンバーワンだ(2位は、この大根おろし!)。

 理容ハサミの製作も、親戚の理容師に刃物できるのなら作ってもらえないかと言われたところから研究を始めたそうで、とにかく、刃物に関して、研究して製作するということをずっとやっているメーカーなのだ。今回の大根おろしにしても、その構造の研究はもちろん、製作するための機械の開発から行っている。穴ぎりぎりでランダムな目立てができるのも、その考察と技術があってこそ。

 「17°にしても、その技術自体は、他でもやれないことはないと思うのですが、大根おろしについて、深く深く考えているところがあんまり無いんですよ」と藤田会長。

movie 17°を使って、実際に大根をおろしてみた動画(クリックで再生)。押す時だけで大根をおろし、手前に戻す時は、ほぼ浮かせて戻す。少し大根を寝せておろすのがコツ

 実際に、この「17°」で大根をおろしてみると、まず、そのあまり力を入れることなくスイスイとおろせることに驚く。V字型に配置された刃が、大根を自然と真っすぐに誘導してくれるので、方向がブレないのだ。

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ITから文房具まで幅広く活躍するベテランライター、納富廉邦さんが言語化しづらいけど面白いガジェットやサービスを分かりやすく解説します。

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