尼崎事件に見る情報漏えい対策の“いろはのい” 増えている流出ルートは?(2/3 ページ)
数年でめっきり減った“うっかりミス”による情報漏えい
では、電子機器を持ち運ばなければ情報漏えいが起きないかというともちろん違う。“うっかりミス”はオフィスでも起こる。主なものがメールの誤送信だ。
最近ではデジタル庁がメールの宛先ミスでアドレスを漏えいさせていた。メールの内容に機密情報などが書かれていればそれが漏れる恐れもある。
<関連記事:デジタル庁がメール誤配信 CC・BCC設定ミスで約400件のアドレスが公開状態に>
しかしIPAによれば、こういったうっかりミスによる情報漏えいはここ数年で大きく減ったという。
IPAの実態調査によると、2016年には情報漏えいの原因として最も多かった、うっかりミスによる情報漏えいが、20年の調査では半減していることが分かった。
「人間はミスする生き物であるという話もあります。そうはいっても、ミスを防止する対策が少し進歩してきた成果が表れてきたかもと思っています。昔は、メールの誤送信が当たり前のようにありましたが、近年では誤送信対策ツールの登場、企業のルール作りの進展などで問題が起きにくくなりつつあります」(佐川さん)
退職者の持ち出しが増
うっかりミスが減少するのに対して、増加したのが退職者による情報漏えいだ。IPAの調査では、退職者が情報を持ち出すなどして機密が漏れたとする企業が4年間で微増していることが分かった。
近年ではソフトバンク元社員が転職先の楽天モバイルに5G通信などに関する機密を持ち出したとされる事件が話題になった。楽天モバイルによると、データは廃棄しており、業務に利用していたという事実は確認していないとしている。
<関連記事:楽天モバイル、ソフトバンクによる提訴に争う姿勢>
転職の際に、前職で得た情報を自分の武器として使ってしまうケースだったのかもしれない。
「(転職時の情報持ち出しは)非常にありがちです。罪の意識がない場合もあります。例えば、営業情報だと自分が開拓したものだという意識でいるかもしれません。雇用時の契約でやっていいこと、いけないことを明確にしておくのがいいと思います」(佐川さん)
機密情報を盗もうとする働きかけに応じてしまうケースもあるという。現職社員による事案ではあるが、20年にはソフトバンク社員(当時)が在日ロシア通商代表部の職員に機密情報を渡したとされる事件が発生した。動機については「小遣いがほしかった」と供述していると報じられた。
<関連記事:ソフトバンク元社員を逮捕 機密情報2点を無断で持ち出し>
「近年、機密情報が国外に漏れた事件はあまり露見していないですが、表面に現れていないだけで、産業スパイのような動きはあるんじゃないかと思います」(佐川さん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR