AIの遺電子と探る未来
“人を動かすAI”は賢くなくてもいい 親しすぎるのは危険だから規制するべき? 専門家と漫画家で議論してみた(1/3 ページ)
「そのロボットは生き物じゃないの!! よくできてるオモチャ!! もっともらしく返事してるだけで意思も感情もないんだから!!」
「そんなことない… そんなこと…」
2023年7月から放映しているテレビアニメ「AIの遺電子」第3話の一幕。「ポッポ」という名のくまのぬいぐるみロボットをめぐって母親と子どもが言い争う場面だ。
作中では人と同等の性能を持つ「ヒューマノイド」には人権が認められているものの、そうではないロボットに対しては「道具」として一線が引かれている。アニメではポッポの他に“レンタル彼氏ロボット”ジョーも描かれるが、ジョーもあくまで企業の商品だ。
ヒトではなく道具であるのに、子どもは「そんなことない」と言い、ジョーを借りた女性はジョーとの別れに涙する。ロボットや産業AIによる“感情があるかのようなふるまい”は、人の心に入り込み、行動を変えさせることがある。
しかし、これは人間を意図的に誘導できてしまうというリスクもはらんでいるのではないか。ChatGPTという賢いAIも現実に出てきたいま、「SFの話だから」とばかにできなくなってきているのではないだろうか。
今回の記事は、こうした感情に訴えるふるまいをするロボットやAIの可能性について。日本SF作家クラブ会長でもあり、人とエージェントの関係性を研究する慶應義塾大学准教授の大澤博隆さんと、AIの遺電子原作者・山田胡瓜さんの対談でお届けする。
(聞き手・執筆:井上輝一)
人を動かすのに「賢いAI」である必要はない
山田 ポッポのようなロボットに対して、コミュニケーションが成立していると思って人間が語りかけたり、あるいはロボットからの働きかけに反応しちゃったりする現象が、ChatGPTをはじめとする対話型AIによっていま起きていると思うんですよね。
AGI(汎用人工知能)でなくても人間はそこに心を見出したりしてしまって影響を受ける。これってポジティブな使い方もできるし、悪用もできて、思いもよらぬデメリットみたいなものを生み出す可能性もあるんじゃないでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「AIの遺電子」と探る未来
7月開始のテレビアニメで注目を集める、人とヒューマノイドの共存を描いた近未来SF「AIの遺電子」。作者とAI専門家との連続対談がここに実現。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
2
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
3
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
4
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
5
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
8
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
9
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
10
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR