小寺信良のIT大作戦
「FIRE」する人が増えたら社会はどうなる? 労働力はAIでまかなえるのか(2/4 ページ)
独身なら可能ではないか
みずほリサーチ&テクノロジーズが8月29日に公開した、「単身世帯化の日本経済への影響」というレポートがそれである。単身世帯、つまり結婚しない人は人生所要金額が低いため、比較的FIREを実現しやすいのではないか、そうなると社会はどうなるのか、といった予測を行ったものだ。
「世帯」とは、経済的に独立した1つの単位である。親と暮らす子供時代は、親の世帯の一員であるわけだが、経済的に独立して一人暮らしを始めると、それで1世帯増えるという事になる。単身者同士が結婚して所帯を構えると、2世帯が1世帯にまとまるので、減ることになる。
日本は人口減少に向けて一直線に進んでいる状態だが、総世帯数は増えている。つまり子供が大人になって経済的に独立することで単身世帯がどんどん増える一方、結婚しないので世帯数が減らない、というわけである。この傾向は、団塊の世代が平均寿命に到達する2035年頃まで続くと見られている。
単身世帯の大きな特徴は、とにかく生活にお金がかからないことだ。子供がいないので養育費がゼロだし、広い家も必要ない。遺産を残す動機もないので、自分1人で使いきる程度の資産があればそれでよい。AlbaLinkの調査では、FIREに必要な資金は1億円程度と見ている人が多いようだ。大卒男性の生涯賃金が2億7000万円程度といわれる中、50歳まで独身で働いて浪費もせずコツコツ1億円貯めてとっととリタイア、というライフプランは、まんざら無理でもないように思える。
レポートは、そうなった先を見通そうとしている。早期退職者が増えれば当然労働力は減少するわけだが、消費は維持される。そうなると多くのものは供給不足需要過多になるため、インフレ圧力となる。もちろん高齢化や少子化による労働力不足の上に乗る格好でFIREによる労働力不足が起こるわけだから、多くのことが政府や金融市場の現在の想定を超えてくることになる。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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