DRAM高騰が直撃した“悲劇のハード”、「Steam Machine」発売の裏で起きていたこと(2/2 ページ)
調達できなかったもの
この部品についてValveは言及していないが、英国のゲームメディア「Digital Foundry」は「奇妙なことにSteam MachineにはDDR5 RAMが1枚しか搭載されてない。その理由とは?」と報じている。
本来ならデュアルチャネル構成にするため、8GBを2枚使うはずだった。しかし記事によると、Valveは8GBのSO-DIMMが確保できず、16GBの1枚にせざるを得なかったという。またValveのエンジニアの話として「(メーカーは)大容量のほうが利益につながるため、製造がそちらにシフトしていた」という内容を伝えている。
他方、ValveはSteam Machineを赤字で販売する考えはなかった。家庭用ゲーム機の場合、ハードウェアを赤字で販売してユーザー数を確保した上でソフトウェアやネットサービスで利益を補うケースもあるが、Steamの場合はゲーミングPCという選択肢もある。無理をしてSteam Machineを普及させる必要はない、という考えだろう。
このため、Steam Machineは現状に即した値段になった。米国では512GB版の1049ドルから、欧州では1039ユーロから、そして日本では18万9980円から。2TB版は一気に6万円アップの24万9980円となっている。
Valveは「本日発表した価格には、製造業の世界的現状が反映されている。より正確に言えば、過去6か月間に私たちが確保してきたコンポーネントの価格が反映されている」としており、まさにDRAMやSSDの高騰を象徴するようなハードとなった。
なお、Steam Machineに使われているSO-DIMMは、韓国半導体大手のSKハイニクス製だった。同社は世界的なAIブームの恩恵を受けた企業の1つとされ、今年に入ってから株価が300%以上も上昇し、6月22日にはサムスン電子を抜き、韓国企業で時価総額トップに立った。AIブームの勝ち組とされる半導体産業と、あおりを食った製造業という構図を象徴しているかのようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
OpenAI、フロンティアAIの国際標準づくりを米国主導で進めるよう提言 「RSIはまだ起きていない」
-
2
新作「鬼武者」にハマったマンガ家が熱弁する、他とは違う“パリィ”の魅力とは?
-
3
Google、「Googlebook」の予約受付開始 899ドル(約14万円)から
-
4
経営「AIでラクして早く帰って」→社員「帰らない」 工数最大9割減のDeNAも悩むAI効率化の壁
-
5
Amazon、MetaのAIエージェント「Muse」による代理購入をブロック Shopifyは全店舗で対応へ
-
6
OpenAI、数学者の独立諮問グループと連携 内部モデルは「100件超の未解決問題を解決」
-
7
“自動で耳コピ”アプリ、ヤマハが無料公開 音源読み込み→3分でピアノ譜に
-
8
今度は“ディスプレイなし”のAIグラス、「Rokid Ai Glasses Style」を試す
-
9
SpaceXAI、「Grok 4.7」発表 コーディングと知識労働向けで同社最高性能、価格は据え置き
-
10
肖像画をChatGPTに読み込ませて出力→加工して納品 委託先による著作権侵害で、小学館「サライ.jp」が謝罪
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR