小寺信良のIT大作戦
AIの進化は、スマートスピーカーへの“失望感”を挽回できるか? Gemini対応の新型を試す(2/6 ページ)
Google Home Miniはキッチンにぶら下げて、もっぱらキッチンタイマーの代わりとなった。「Echo Studio」は、手軽な空間オーディオ再生装置としてテレビの脇に置かれた。「Echo Show 15」はリモコンを買ってAmazon Prime Video専用機として娘の寝室に置かれた。
この背景には、音声アシスタントが期待外れだったという問題がある。例えば「午後3時の30分前にアラームをセットして」と言っても、午後3時にアラームをセットしてしまう。「30分前」が分からないのだ。また「今日これから出かけるのに傘が必要?」と聞いても、気温概況を述べるだけで降水確率も返さない。傘が必要である意味が分からないのだ。
人間が知りたいことは、自分の行動に関する情報だが、それを直接音声アシスタントに聞いても、その背景まで理解して回答しない。「すみません、よくわかりません」という返答を嫌というほど聞いた。
人間は、話が噛み合わない相手との会話は疲れる。そういう風にできているのだ。結局、スマートスピーカーが問題なくできることの範囲でしか使えないのなら、それはスマートスピーカーじゃなくていいか、ということになった。
現在、筆者の手元には、スマートスピーカーは1つもない。転居を機に、全て処分してしまった。AIの進化がスマートスピーカーに降りてくるまでいらないな、と思ったからだ。
しかし再度スマートスピーカーを購入するまで、それほど時間はかからなかった。24年にGoogleが、Google HomeにGeminiをインテグレートする計画を発表しており、25年には米国の一部のユーザー向けに、「Gemini for Home」が利用できるようになった。
そして今年6月25日、Gemini for Home対応の新型「Google Home Speaker」の出荷が開始された。世界20カ国・10言語対応となり、当然日本語にも対応する。価格は公式サイトで1万6800円。早速購入し、数年ぶりに「OK google」と言ってみている次第だ。
洗練された受け答えに進化
「Google Home Speaker」は、直径107mm、高さ86.6mmの球体だ。スピーカーは58mmフルレンジのモノラルスピーカーで、マイクは3つ
静電容量方式のタッチセンサーを備えており、頂点をタッチすると音楽のポーズ、左右のタッチで音量調整ができる。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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