企業が広告を「早く、安全に、大量に」作るAI アドビの新ツールが向かう先は“代理店いらず”か(1/3 ページ)

 AIとクリエイターの協働を模索し続けている米Adobeだが、ビジネス向けソリューションも多数展開している。といっても顧客管理やセールス支援の分野ではなく、主に広告やイメージ戦略の計画・制作・配信に関わる分野である。

 新たに7月6日には、3タイプのクリエイティブ支援ソリューションが発表された。生成AIの共通プラットフォームである「Firefly AI Assistant」(β版)、クリエイティブワークフローの自動化ツールの「Firefly Graphエンタープライズ版」と「WorkFlow Builder」、「Bland Intelligence」だ。

 これらのツールが登場した背景には、生成AIによるアイデア出しや社内プレゼン用イメージの制作は早くなったが、実際にそれが社外向け、あるいは本番に使われるのはまれであるという現実がある。著作権や肖像権がクリアされているか確認できないことや、どういうプロセスを通ってこのイメージが出てきたのかの来歴を重視することが理由だ。

クリエイティブはAIで加速したが、本番ではそれほど使われていない

 一方でプロモーションなどに関わるコンテンツ需要は、2024年から2026年で5倍に増加しており、従来型のワークフローでは限界が見えてきたという現実がある。

 早い話が、企業でイメージクイリエイティブに求められる「早く、安全に、大量に」をAIでやろうというわけだ。そこには、クリエイターに求められる生成AIとは違ったニーズがある。

画像生成AIもエージェンティックの時代に

 プログラミングその他言語処理や、生産・物流の分野ではもはやエージェンティックAIは当たり前の存在になりつつある。一方画像生成AIの分野では、「Adobe Firefly」が1つのプラットフォームになり、他社パートナーモデルも利用できるという格好にはなっていた。ただそれは画像生成するという目的において、1つのプラットフォームから使い分けができるという格好だった。

 一方Firefly AI Assistant(β版)は、単に画像を生成するのではなく、仕事そのものを実行するAIとして開発が進められている。自然言語による指示で、規格から制作、運用までの業務を自律実行する。

Firefly AI Assistantは自律的にクリエイティブを進行する

 そう聞くと、プロンプトを打つだけでどんどん勝手に生産していくように思えるが、実際には素材の加工などを依頼すると、候補をいくつか提示して利用者が選択していくという、インタラクティブな形になっている。

 画像の加工で作業を「Photoshop」に移した場合、そこでもAI Assistantのプロンプト入力画面が表示される。そこに自然語で指示することで、AIによるPhotoshopの操作が行われるというイメージだ。その他AI Assistantが操作できるアプリには「Premiere」、「Illustrator」、「InDesign」、「Frame io」がある。作業中にアプリを移っても、背後にはには同じAI Assistantが走っていて、作業の整合性を保つわけだ。

 エンタープライズ向けの説明会で紹介されたが、実際のユーザーは、ちょっとした編集や加工をバッチ処理させたいクリエイターやデザイナーになるのではないかと思われる。

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