「mao-asada.jp」失効ドメイン問題、さくら田中社長「対処します」の意図は 同社に聞いた(1/3 ページ)

 浅田真央さんの旧公式サイトのドメイン「mao-asada.jp」が、「アフィリエイトサイトに」など用途を示しながらGMOインターネットグループの「お名前.com」で宣伝・オークション販売されていたことが、6月末ごろから批判を集めた。

 著名人の旧ドメインは、旧サイトを覚えている訪問者がアクセスする可能性が高く、被リンクも多いため、フィッシングサイトへの誘導など悪用の恐れが大きい。にもかかわらず、過去の知名度を流用して無関係なサイトに転用することをすすめるような文言で宣伝したことが、批判を招いた形だ。

 この騒動では業界関係者からもさまざまな意見が出ていたが、中でも最も注目を浴びたのはさくらインターネット田中邦裕社長のXでの発言だ。

 「このような事を助長する事業者が存在する事について、業界を代表する1人として大変申し訳なく、対処します」などと投稿し、「同業他社への異例の苦言」と話題になったのだ。

田中社長の7月1日のポストより

 さくらインターネットは「さくらのドメイン」を通じてドメインを販売しており、「お名前.com」と同じビジネスを展開しているように見える。

 さくらのドメインとお名前.comとの違いはどこにあり、田中社長が宣言した「対処」とは何か。同社の広報を担当する楾(はんどう)由梨さんと、同社インターネットサービス部の担当部長である谷口元紀さんに聞いた。

失効ドメインの広告掲載、さくらは「絶対やらない」

 まず前提として、ドメインが失効した後、どのように次の人の手に渡っていくのか、仕組みから見ていこう。

 ドメインは更新しなければ失効するが、すぐ他人のものになるわけではない。数十日~半年ほど(TLDごとに異なる)の猶予期間を経て登録が抹消され、そこで初めて誰でも取得できる状態になる。

 ただ、被リンクや検索評価が蓄積された“強い”ドメインはニーズが高いため、開放前から事前予約(バックオーダー)が集まる。バックオーダーを受け付けた業者は、ドメインが開放されると同時に自動取得を試みる「ドロップキャッチ」を行うため、一般のユーザーが手動で取得することは極めて難しい。

 「お名前.com」は、そうしたバックオーダーサービスを提供する事業者の一つだ。中古ドメインのバックオーダーを受け付け、申し込みがあったドメインについてドロップキャッチを試みる。取得に成功した場合、申込者が1人ならその申込者に登録権利を渡し、複数いた場合はオークションを行って、最も高い金額を付けた人に登録権利を渡す。バックオーダー料金やオークションの落札額が事業者の収入になる。

 落札価格はドメインによってまちまちだが、人気ドメインの場合は数万円から100万円を超えるケースもあるようだ(関連記事:「ドコモ口座」のドメイン、落札される 402万円で)。

お名前.comのバックオーダー費用(FAQより)

 一方で「さくらのドメイン」はバックオーダー・ドロップキャッチとも行っておらず、オークション販売の仕組みもない。“人気の中古ドメイン”に狙いをつけ、ユーザー同士で競り合わせるかどうかが、両サービスの大きな違いだ。

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