生成AIで巧妙化するデマ──熊本地震で露見した「10年前にはなかった新たな手法」 識者に聞く(3/3 ページ)
事実をまぜたデマが増えた
16年と26年の熊本地震で流れたデマを比較すること、もう1つの傾向が見えてきた。16年の地震では「動物園からライオンが逃げた」というデマが有名。当時、この投稿は2万回以上もリツイートされ、熊本市動植物園は100件を超える問い合わせ電話の対応に追われた。結局、デマを投稿した人物は偽計業務妨害の疑いで逮捕された。
「ライオンが逃げたは完全に作り話でしたが、今回の熊本地震では“事故は本当だが、映像は偽物”のような混ざったケースが結構ありました。また、以前は悪ふざけだとか、『少し混乱させてやろう』みたいな動機が多かったと思いますが、今はXのインプレッション稼ぎやQRコードの事例にみられるように、お金目的でやる人が増えたと思っています。Xは最近ポリシーを変えたので、今後は少し変わっていくとは思いますが……」。
米Xは、23年から広告収益をユーザーに分配する「クリエイター収益配分プログラム」を提供してきたが、分配金目的の無断転載やインプレゾンビといった問題が深刻化。8月9日に同プログラムを終了し、オリジナル投稿に絞った新報酬制度に移行すると発表した。なお、誤情報や自動化ツールで生成したもの、他人の投稿を複製したものなどは収益配分から除外される。
最後に、災害発生時のデマに踊らされないために一般ユーザーが気を付けるべきことを聞いた。
「ネットリテラシーを高めるといっても、個々人が嘘を見破る目を養うのは非常に難しいと思っています。ただ、一つ本当に心掛けなければいけないのは『真偽が不確かなものは拡散しない』という選択肢を持つこと。例えば真偽不明の救助要請を見て『もしかしたら誰かが助かるかもしれない』という善意(からのシェア)を止めろというのは難しいでしょう。でも、頭の片隅にその選択肢があれば、何も考えずにリポストするようなことはなくなると思います」(根来COO)。
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