SNSのウソ画像、どう見破る? 熊本県庁やテレビ局も頼る“すごい企業”の正体(3/3 ページ)

防災目的のAIエージェントを開発へ

 スペクティは、代表の村上建治郎さんが東日本大震災で災害ボランティアとして活動する中、被災地からの情報共有の脆弱性を感じたことが設立のきっかけになったという(設立当時の社名はユークリッドラボ)。

 「現場では、マスコミの情報より、 SNSで『どの避難所が空いてるよ』といった情報をやり取りする方がすごく役に立っていたそうです。それを目の当たりにしたというのが、この会社の出発点。東日本大震災によって生まれた会社なんです」(根来COO)。

 スペクティには現在、Spectee Proと同じ情報源を使ったサプライチェーンリスク管理クラウドサービス「Spectee SCR」があり、こちらは主に製造業向けに提供している。自然災害などが発生した時、部品を供給するサプライヤーへの影響をリアルタイムに分析し、その影響を可視化する仕組みだ。

「Spectee SCR」のサービスイメージ|出典・スペクティ

 そして今開発を進めているのが「危機管理AIエージェント」。同社は今年6月、経済産業省とNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が推進する国家プロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」の第4期に「自律型の次世代防災・危機管理基盤」というプロジェクトが採択されたと発表した。

 同プロジェクトでは、国の支援を得て、SNSのリアルタイムデータから火災や洪水といった事象の抽出と被災度の判定を行う地域特化の「災害検知LLM」、および災害時に押し寄せる膨大な情報を防災計画やBCP(事業継続計画)といった顧客企業の固有情報とひもづけてリアルタイムな行動を支援する危機管理AIエージェントを開発する予定。災害初動のリードタイムを劇的に短縮しつつ、企業の事業継続性を高める狙いだ。

 「企業にはどの地域で生産をして、どの地域で商売しているのかなど、それぞれの事情があります。そういった情報をすべて飲み込んだ上で、次に何をすればいいのか意思決定を支援します」と根来COO。SNSから集めた情報に付加価値を付け、防災への対応やBCPに役立てる同社の試みは、災害の多い日本でますます存在感を増していきそうだ。

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