PC価格高騰、限られたIT予算をどう回す? “再生PC”を選んだ企業のシステム担当者に聞く(2/2 ページ)
中古品で気になる「故障・保証・台数」
青山氏が中古PCで懸念していたのが、故障率や保証だ。Reborn VAIOでは、液晶面や底面などは再利用する一方、バッテリーや天板、キーボード、タッチパッドなどを新品に交換する。受け入れ時と出荷時に動作や外観を検査した上で、新品と同じ1年間のメーカー保証を付ける。条件付きで最長3年間の保証も選べる。
その上で、他メーカーの新品PCと価格を比較した。青山氏によると、標準保証付きの新品PCと延長保証を付けたReborn VAIOは、おおむね同じ価格だったという。同程度の費用で、より長い保証を付けられる点も導入を後押しした。
また、法人のPC調達では、同じPCをまとまった台数そろえられるかも重要だ。機種や仕様がばらつくと、管理負担が増えるためだ。一般的な中古PCはこの点で導入しにくいが、Reborn VAIOは同じスペックおPCを一定数をまとめて確保できることも決め手になった。
中古PCで見落とせない「端末管理」の問題
中古PCでは、前の利用者のデータだけでなく、端末の管理情報が残っていないかにも注意が必要だ。Reborn VAIOでは、専用のデータ消去プロセスでSSD内部のメモリセルをリセットし、保存されていたデータを復元できない状態にする。その上で、Microsoftの再生PC向けプログラム「MAR(Microsoft Authorized Refurbisher)」のライセンスを使ってWindowsを入れ直すという。
ただし、PC本体を初期化しても、Microsoftのサーバ側に以前の企業が登録した端末情報が残る場合がある。24年には、NTTコミュニケーションズで使われていた中古PCを購入したユーザーがWindowsを設定しようとしたところ、同社向けの設定画面が表示され、通常の設定を進められない事例があった。PC内のデータは削除されていたものの、Microsoft側に端末の登録情報が残っていたことが原因だった。
Reborn VAIOでは、再生時にPCのシリアルナンバーを新たに付与し、過去の登録情報とのひも付けをリセットする。これにより、前の利用者の端末として認識されることを防げるという。単に初期化して再販するのではなく、端末の識別情報まで手を入れられる点は、製造メーカー自身が再生する強みの1つだ。
リファービッシュPCは今後も調達の選択肢に?
三菱HCキャピタルITパートナーズがReborn VAIOを導入してから約1年。導入台数は80台と限定的で、故障率を評価するには十分な規模とはいえないものの、青山氏によると、これまで1台も故障しておらず、社員からの反応も良好だという。今後のPC調達でも、リファービッシュPCを選択肢に入れる考えだ。
「新品かリファービッシュPCかをあらかじめ決めるのではなく、業務要件や運用期間、コストなどを総合的に見て、最適な選択肢を選んでいきたい」(青山氏)
限られた予算で対応するため、PCの購入価格を抑える以外の工夫もしている。予算が足りなければ、一部のPCを予定より長く使って更新時期をずらしたり、他のシステム費用を見直してPC予算に回したりするなど、IT予算全体で調整しているという。
一方、PCの性能を落として費用を削ることには慎重だ。スペックは業務のパフォーマンスに直結するため、実際の業務負荷を確認した上で必要な性能を確保する。重複するSaaSを一本化するなど、PC以外で削減できるコストも念入りに調査するという。
リファービッシュPCは万能ではない。最新CPUや大容量メモリを要する業務など、最新世代の性能が求められる場面には向かないからだ。しかし、性能や保証、必要台数といった条件が合うのであれば、PC価格が高騰する中で、こうした選択肢があってもいいかもしれない。
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