フェスの“案内AI”、正体は「Acrobat」――大阪・ジャイガで稼働したPDF製の即席チャットbot(1/3 ページ)

 大阪・舞洲スポーツアイランドで開かれた野外音楽フェス「OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2026」(通称ジャイガ)を取材した。最高気温37度を超える炎天下、湾岸の埋立地に朝から若い来場者が列を作る。この日はCreepy Nutsや櫻坂46、UVERworldらが出演し、トリはsumikaが務めた。

舞洲スポーツアイランドのメインステージ前。日傘を差した来場者が芝生を埋め、背景に湾岸のクレーンが並ぶ

 このフェスに米Adobeが協賛として参加していた。会場に体験ブースを構えるだけでなく、来場者の質問にAIが答える案内サービスとして「PDFスペース」を提供している。文書業務向けに作られた機能を、不特定多数の来場者に向けた無人の窓口として使う。本来の想定とは違う使い方だ。

Adobeのブース入り口に置かれた案内板。ショート動画、自分専用タイムテーブル、タトゥーシール、電子来場証明書の4つの体験が並ぶ

生成AIを初体験する20代でにぎわうブース

 AdobeのブースはSUNエリアの一角にあった。冷房の効いた空間で、生成AI「Firefly」によるジャイガロゴのリデザインや、「Adobe Express」で観たいアーティストだけを並べた「マイタイムテーブル」の作成など、スマホアプリを使った4種類の体験を用意する。作った作品をハッシュタグ付きでSNSに投稿すると、タトゥーシールに印刷して受け取れる。

ブース内でスマホを操作する来場者。テーブルには操作手順をまとめた紙が置かれている
Fireflyでリデザインしたジャイガのロゴ。花火と提灯を組み合わせた画像が生成された

 Adobe マーケティング本部 マーケティングマネージャーの鈴木依子氏は、出展の狙いをクリエイティブの裾野を広げることに置く。制作はセンスと技術のある人がするものと受け止められてきたが、プロンプトを打てば形になる技術が生まれた。そのことを知ってもらう相手として、音楽が好きでこだわりのある層が集まるフェスを選んだという。目標に据えているのは、まずAdobeを知ってもらい、好きなアーティストを応援するのにクリエイティブが役立つと感じてもらうことだ。

Adobe Expressで作ったマイタイムテーブル。観たいアーティストと出演時刻だけを並べられる
生成した作品を印刷したタトゥーシール。ジャイガのロゴがそれぞれ違うデザインで描かれている

 来場者は大学生から20代半ばが中心で、7月25日と26日の2日間は1日約600人が訪れた。鈴木氏は「生成AIで画像を作ったことがない方がすごく多い。検索では使ったことがあるけれど、画像を作るのはやったことがない、プロンプトはどう書けばいいんですか、という質問をよく受ける」と話す。

Adobe マーケティング本部 マーケティングマネージャーの鈴木依子氏
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