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ChatGPTでPhotoshop、Express、Acrobatが動く──Adobeが「Apps SDK」連携

» 2025年12月11日 08時58分 公開
[ITmedia]

 米Adobeは12月10日(現地時間)、米OpenAIの「ChatGPT」上で「Adobe Photoshop」「Adobe Express」「Adobe Acrobat」を利用できる「Adobe apps for ChatGPT」の提供を開始したと発表した。8億人のすべてのChatGPTユーザーが対象としているが、Adobe ExpressとAdobe Acrobatを使うにはAdobeのアカウントが必要だ。


 ChatGPTのユーザーは、チャット画面から離れずに、自然文で指示を出すだけで写真編集やデザイン、PDF文書の加工といった作業を行えるようになる。Adobeは「誰でも言葉で指示するだけでPhotoshopなどを使えるようにする」としている。

 ChatGPTのデスクトップ版、Web版、iOSアプリで利用可能になる。Androidアプリについては現時点では利用できるのはAdobe Expressのみだが、PhotoshopとAcrobatも追加する計画という。

 ChatGPTでAdobeアプリを使うには、チャット欄にアプリ名とやりたいことを書き込むだけだ。例えば編集したい画像をアプリにアップロードし、「Adobe Photoshop、この画像の背景をぼかして」と入力すると、ChatGPTがPhotoshopを自動的に呼び出し、画像の背景をぼかす処理を文脈に沿って案内する。チャット上でのやり取りに加え、Photoshop側のスライダーを使って明るさやコントラストなどを微調整することもでき、会話とGUIの双方を組み合わせて編集を進められる。

 photoshop Adobe Photoshop for ChatGPT(画像:Adobe)

 このように、ChatGPT上で「Adobe Photoshop」「Adobe Express」「Adobe Acrobat」に続けて実行したい操作を入力すると、まず接続を案内するウィンドウが立ち上がり、その手順に従ってアプリとChatGPTを紐付けることでChatGPT内でアプリを使えるようになる。

 OpenAIは10月、ChatGPT内でアプリを直接操作できる「Apps SDK」を発表した。その段階ではAdobeの競合であるCanvaなどが参加を表明していたが、Adobeもこの機能を採用している。

 ただし、チャット内で利用できるのは各アプリの主要機能のサブセットであり、「より高度な機能や精密なコントロールが必要な場合は、ChatGPTからネイティブのAdobeアプリにシームレスに移行し、同じプロジェクトを引き継いで作業を続けられる」という。

 つまり、ChatGPT上でAdobeアプリのすべての機能が使えるわけではない。それでも、Photoshop for ChatGPTでは、画像の特定部分だけを調整したり、「Glitch」や「Glow」といったクリエイティブなエフェクトを画質を保ったまま適用できる。

 Adobe Express for ChatGPTでは、プロが作成したテンプレートのライブラリから目的に合ったデザインを選び、テキストや画像の差し替え、アニメーションの付与などを行える。

 express Adobe Express for ChatGPT(画像:Adobe)

 Acrobat for ChatGPTは、PDFの直接編集、テキストや表の抽出、複数ファイルの結合、圧縮やPDFへの変換に対応し、書式や品質を保ったまま文書を整理できるほか、機密情報のマスキングにも使える。

 acrobat Adobe Acrobat for ChatGPT(画像:Adobe)

 Adobeは独自の生成AIプラットフォーム「Adobe Firefly」を展開しており、こちらでは自社モデルに加えてOpenAIの画像生成、米Googleの「Nano Banana Pro」(Gemini 3 Pro Image)など外部のAIモデルを切り替えて利用できる。

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