米OpenAIは10月6日(現地時間)に開催した年次開発者会議「DevDay」で、ChatGPT内で直接アプリを操作するための「Apps SDK」を発表した。
同社はこのSDKのプレビュー版を、開発者向けに即日提供開始した。開発者はApps SDKを利用することで、毎週8億人以上が利用するChatGPTユーザーに対し、適切なタイミングでアプリを提供することが可能になる。
Apps SDKの基本的な機能は、既存のオープンスタンダード「Model Context Protocol」(MCP)を拡張したものだ。これにより、開発者はアプリのロジックとインタフェースの両方を設計できる。SDKはフルスタック機能を提供し、データとの接続、アクションのトリガー、インタラクティブなUIのレンダリングを可能にする。
構築されたアプリは、会話に自然に溶け込むように設計されており、マップ、プレイリスト、プレゼンテーションなどのインタラクティブ要素と、会話を通じた新しい操作方法が融合するとしている。また、Apps SDKはAPIを通じてアプリのコンテキスト情報をChatGPTに伝え、モデルがユーザーの操作内容を把握することを支援する。このSDKはMITライセンスの下、オープンソースとしても公開されている。
ユーザーは、アプリ名を指定して利用を開始できるほか、会話の文脈に基づいてChatGPTが関連するアプリを提案することでアプリを発見できる。アプリを初めて接続する際には、共有される可能性のあるデータについてユーザーが理解できるよう、ChatGPTが接続の同意を促す。
利用対象者は、EU圏外のChatGPTのFree、Go、Plus、Proプランにログインしている全ユーザーで、即日利用可能だ。なお、EU圏内のユーザーに対しても、アプリは間もなく提供される予定という。
サービス開始時のパイロットパートナーとしては、Booking.com、Canva、Coursera、Expedia、Figma、Spotify、Zillowが含まれており、これらのアプリは同日から提供地域の市場で英語で利用可能になっている。
Spotifyに関しては、無料プランのユーザーも利用できるが、プレミアムユーザーはよりパーソナライズされたトラック選択が可能になるなど、より高度な機能を利用できる。
開発者によるアプリの提出・公開は、年内に開始される予定。また、アプリの収益化に関する詳細は後日共有するという。将来的には、ChatGPT内での「Instant Checkout」を可能にする「Agentic Commerce Protocol」による収益化もサポートされる見込みだ。
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