DuckDB開発元のDuckLabs、AWSの子会社に オープンソースのMITライセンスは維持
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「DuckDBの開発元であるDuckLabsがAWS子会社になると発表。DuckDBはオープンソースのMITライセンスを維持」(2026年8月28日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
DuckDBの開発元であるオランダDuckLabsは、9月初旬にAWSの子会社となる予定であることを発表しました(DuckLabsの発表、AWSの発表)。
DuckDBはシングルバイナリの高速なOLAPデータベース
DuckDBは、従来のクライアント/サーバ型の複雑なOLAPデータベースサーバとは異なり、SQLiteのようにシングルバイナリあるいはアプリケーションに容易に組み込んでローカルマシン上で非常に高速にデータ分析が実行できるOLAPデータベースソフトウェアです。
単一ファイルとして扱える独自フォーマットのデータベースファイルに加えて、CSV、Parquet、JSON形式などのファイルの読み書きに対応し、また拡張機能によってMySQLやPostgreSQL、SQLiteデータベースの読み書きも可能です。
この秋に登場予定のDuckDB 2.0では手元のDuckDBからリモートマシンで実行中のDuckDBインスタンスに接続して操作できるクライアント/サーバ型にも対応するなど、大型のアップデートが行われる予定であり、注目度が非常に高まっています。
参考:シングルバイナリなOLAP DBの次期版「DuckDB 2.0」プレビュー。クライアント/サーバ機能が安定版に、スキーマレスのVARIANT型、トリガー、非同期I/Oなど新機能
DuckDBは引き続きMITライセンスのオープンソースを維持
DuckDBおよび関連プロジェクトであるDuckLakeは、現在は独立した非営利団体であるDuckDB Foundationの下でMITライセンスのオープンソースとして開発が進められています。
DuckLabsがAWSの子会社になった後も、ライセンスや開発体制、ガバナンス体制、ロードマップなども含めて引き続き維持されると説明されています。
AWSはなぜDuckLabsを買収するのか?
AWSはなぜDuckLabsを買収するのでしょうか? それはAWSが顧客のデータを預けるためのクラウドとして優れたポジションを維持し続けるためだと考えられます。
AWSは以前から、顧客のデータを預ける優れたクラウドとしての優位性を築くことに積極的なベンダでした。顧客が大規模なデータをクラウドに保存すればするほど、顧客はそのクラウドから別のサービスに移行することが難しくなるためです。
そのためにAWSは、大規模高信頼かつ安価なデータストアであるAmazon S3を中心に、データ分析サービスとしてAmazon Redshift、Amazon S3のデータを直接分析できるAmazon S3 Tables、さまざまなデータを容易に分析可能にするゼロETL統合戦略などを展開しています。
一方で、DuckDBは手軽かつ高速なOLAPデータベースであり、代表的なユースケースの1つとしてAmazon S3などのクラウド上に保存された大規模なCSVやParquetファイルを読み込んで高速に分析することが挙げられます。こうしたユースケースは従来のAWSのデータ戦略を補完するものです。
そのため今回の買収は、このDuckDBの特徴やユースケースがAWSのデータベース戦略を強化するピースとして大きな将来性を持つと評価して行われたものと考えられます。
と同時にこの将来有望なDuckDBがAWSのデータベース戦略のライバル、例えばSnowflakeやDatabricksやGoogle BigQueryを提供するGoogle Cloudなどと接近したり子会社化される前に、自社陣営にしておきたかったという事情もあるでしょう。
DuckDBは今後、おそらくAWSからの積極的な支援と資金提供によって今後さらに機能強化のペースが速まると同時に、AWSの各種サービスとの統合を容易にするような機能も追加されていくのではないかと思われます。
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