たった1社、日本から「中国ロボット運動会」に挑んだGMO 新卒が率いたロボ開発、その舞台裏(1/2 ページ)
速く走らせればモーターが過熱して止まり、転倒すれば腰のシャフトが折れる──。こう苦闘を明かしたのは、中国で開かれた「第2回世界ヒューマノイド運動会」に日本企業として唯一出場した、GMOインターネットグループの開発担当者だ。9月15日に同社が開いた「第4回 GMO大会議・秋・フィジカルAI 2026」のアフターパーティーで、大会に挑むまでの舞台裏を語った。
大会に出場したロボットのベースは、中国Unitree Roboticsが開発した市販の汎用ヒューマノイド「G1」。GMOグループが導入したG1を「ひとみん」と名付けている。登壇したのは、プロジェクトリーダーを務めるGMO AI&ロボティクス商事の廣本一真氏と、走行システムを担当したGMOインターネットグループの滝澤照太氏。両氏らは、グループ各社のメンバーと約半年かけて汎用機の走行性能を高め、ロボット運動会へ挑戦した。
日本企業で唯一出場、1500mで7位
大会は8月22~26日、北京の国家スピードスケート競技場で開催。GMOインターネットグループは日本企業から唯一出場し、100m、400m、1500mの3種目に挑んだ。100mは74体中13位、1500mは35体中7位。400mは予選を1分55秒93で完走して準決勝に進んだが、準決勝では走行中に転倒して記録なしとなり、最終順位は44体中9位タイだった。
特に健闘したのが1500mだ。100mと400mは機体の大きさで部門が分かれていたが、1500mには区分がなく、大小のロボットが同じ条件で競った。身長約1.3mの「ひとみん」は、身長約1.8mの走行特化型ロボットなどに交じって走り、7分43秒89でゴールしたという。
汎用機を「競技仕様」に
「ひとみん」は、工場での軽作業やイベントでの接客など、幅広い用途を想定した汎用機で、もともと陸上競技用ではない。標準状態でも最高速度は秒速約3.0mにとどまり、走り続けるとモーターの温度が上昇して速度も低下する。トラックを自律走行する機能もないため、開発チームは大会に向け、走行速度を高める制御モデルや、カメラ映像からレーンを認識して進む機能を追加した。
プロジェクトの発案者は、2026年4月に新卒入社した廣本氏だ。内定者としてインターン中、GMOインターネットグループ陸上部のニューイヤー駅伝初優勝に感銘を受け、「ヒューマノイドでも人に感動を与えられないか」との発想から企画を提案。入社後はプロジェクトリーダーとして全体を統括した。
開発には、GMO AI&ロボティクス商事やGMOインターネットグループに加え、自律走行を得意とするGMO Various Roboticsのメンバーも参加。複数社によるグループ横断チームで、走行制御やレーン認識などの開発を進めた。
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