旭化成ホームズの社内システムが地震で全停止……したらどうする? 同社グループが本当にやった災害訓練(2/3 ページ)

IT班の「PCに固執しない判断」学びに

 参加者の対応はどうだったか。実際の訓練では、やはりシステム障害が対応の大きな壁になった。「正直、(システムが)止まってしまうとできないこともあった」と大杉さんは振り返る。一方、意外な動きを見せた班もあった。IT班だ。

 本来はシステムの復旧などを手掛けるため、PCをフル活用するはずだが、逆に早々に見切りをつけ、ホワイトボードなどアナログな手段での情報整理に着手していたという。

 「システムが使えないからこそ、PCに固執しない判断が一番できていた。他の班も見習えるところなのかなと。無理なものは無理だと割り切るのも一つの考えなんだな、というのは一つの気付きだった」(大杉さん)

 同様の理由で、紙でのデータ保存を検討する機会にもなったという。システムに頼れない場合、ホワイトボードのようなアナログな手段に頼るしかない。情報を整理するだけならそれでもいいが、顧客リストやマニュアルを把握したければ、これらを事前に紙で印刷・保管しておかなければならない。システムの冗長化ではカバーしきれない部分を、紙で残しておくのはどうか、という議論が出た。

 突発的なトラブル対応でも課題が浮き彫りになった。班をまたいでの対応が必要になるため、お互いに連絡を取りながら情報を得たり与えたりして、対応して記録を残していくが、その間にまた別のトラブルが発生する──といった状況に陥った。

 同社は首都直下地震が起きた場合、2週間後をめどに入居宅の点検を始めるプランを描いている。だが、こうした突発対応がある中だと、メンバーから見積もりが甘いのではないかと疑問の声が飛んだという。

 「2週間後に現地を訪問するといっても、本当に行けるのか。誰が行くのか。どうやって行くのか。社員の中にも被害に遭う人間はいるし、そもそも立ち入れない区域もある。社員が半分ぐらいしか稼働できない前提で見積もった方がいいのでは、といったことが繰り返し話し合われた」(大杉さん)

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