小寺信良のIT大作戦

たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す(2/3 ページ)

短時間の休息でかなり効果

 以前、韓国発のスリープテック「Sleepisol+」をご紹介した。こちらは額の表面に配置した電極から微弱な電気刺激を与え、皮膚を介して脳へ刺激を伝えることで、脳波の同調を促すという仕組みだ。

 人間の聴覚は一般に20Hzから20kHzの周波数帯といわれているが、Sleepisol+は目的に応じて脳波に近いデルタ波やアルファ波を切り替える。いずれも20Hz以下の耳には聞こえない低周波である。

 一方Relaxonic Coverが注目するのは、心地よさを感じるアルファ波だ。使用するのは20kHz以上の超高周波音(ハイパーソニック)である。例えばバリのガムランのように、20kHzを超える音が含まれているサウンドは、アルファ波の上昇を誘発し、心地よさにつながるものとされている。これは超高周波だけがあっても効果がなく、可聴音域の音と一緒に聞いた場合に効果がある。

 こうした効果は「ハイパーソニック・エフェクト」として知られており、芸術家/科学者である山城祥二(大橋力)氏の先進研究がある。

 Relaxonic Coverのアプリにはこうしたハイパーソニックを含むサウンドスケープが16種類用意されており、それぞれ鳥のさえずり、波の音といった自然音に加え、ガムランやスリットドラムといった楽器音も用意されている。

15種類のサウンドが選択できる

 利用される想定シーンとしては、仕事の休憩中、移動中、入眠前などが想定されている。Sleepisol+もそうだったが、これを装着したままで寝るということは想定されていない。Relaxonic Coverは全体がクッション素材で覆われているので、寝ているときに破損したりけがをしたりするケースは少ないと思われるが、睡眠中の出来事に関しては補償はできないということだろう。

 まずは短時間の休憩から試してみた。個人的な話だが、取材などで外出したあと、家に戻って仕事に入ろうとするのだが、疲労感があってすぐに仕事にはならないことも多い。そこで午前中の取材を終えたあと、仕事を再開する前に10分間、Relaxonic Coverを使用してみた。

 椅子のリクライニングを目いっぱい倒し、ヘッドレストに頭をあずけた状態である。目の周りが暖かくなるので、目の疲労にも効いていそうである。アイマスクとしてはかなり上下幅が広いので、光が漏れてくるようなことはなく、完全に真っ暗だ。

 サウンドスケーブはそれぞれ好みがあると思うので、使用する前に試聴して選べるようになっている。時間を選択して使用を開始すると、スマートフォン画面は全面がボリューム操作となる。使い始めると全く見えないので、手探りでも操作できるようにということだろう。

動作中はアプリ画面全体がボリューム調整となる

 10分なので寝てしまうことはないが、使用後はかなり頭がスッキリした。昼寝のあとのような感じである。中には10分で寝てしまう人もいるかもしれないが、最後に女性の声で「終了します」というアナウンスが入るので、気が付くはずだ。むしろ10分で寝られる人なら、Relaxonic Coverなしでも休めてるんじゃないかと思う。

 リフレッシュスコアを計測する機能があるので、これでチェックしてみたところ、休憩前は2万874であったスコアが、3万8868となっていた。スコアの値は独自アルゴリズムによる計測値なので、数値がどこまでいくと医学的にどうというようなものではないが、変化量が分かるのは効果が実感できる。

インカメラを使って顔を分析
リフレッシュできたことが実感できる

 スコアの値は独自アルゴリズムによる計測値なので、数値がどこまでいくと医学的にどうというようなものではないが、変化量が分かるので、効果を実感しやすい。

 リフレッシュとは、一種の脳のクールダウンなのだろう。活性化した状態、カッカした状態で走り続けることは、仕事のクオリティー面でもメリットにならない。冷静になると、「あれなんか違うよな」という気付きも得られるだろう。集中と緩和を続けながら、持続性のある働き方をすべきだ。

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ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。

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