PHP脆弱性でいち早くサービス停止、コドモン経営判断の舞台裏 実はオンラインイベントの真っ最中だった(3/4 ページ)

深夜は「口を出さない」 経営と現場の信頼関係

──「翌朝までに必ず再開する」という目標は、開発側と経営側、どちらが主導したのでしょうか

小池:メンテナンスの告知を出す時点で、すでにエンジニアから復旧予定の日時が示されていました。本来、開発チームとしては、できれば期限を示したくないはずです。それでもユーザーに対して復旧時期を約束してくれました。

──不正アクセスが相次ぐ昨今、開発・セキュリティ部門と経営の“ずれ”もよく話題になります。今回、双方のコミュニケーションが成立したのは、何が決め手だったのでしょうか

小池:他社と違う点があるとすれば、コドモンのエンジニア組織は、クラフトマンシップやエンジニアとしての誇りを持ちつつも「何のために働いているのかといえば、当社のミッションを実現するためだ」という意識が比較的強い点だと思います。

 そのため、普段から技術的な観点だけで議論するのではなく、ミッションやビジョンをどう実現するか、そのために何を優先して判断すべきかから落とし込んだうえで、技術の話をしています。

 私はエンジニア出身の経営者ではないので、技術の話だけでは分からないこともありますが、事業の目的からブレークダウンして説明してもらえるのは分かりやすいと感じています。

──深夜の作業に、小池代表はどこまで関わっていたのでしょうか

小池:私自身は実務には入っていませんし、もう1人の取締役も同様です。午後11時までにいくつかのプランを立て、必要な意思決定を網羅し、この場合はこう判断する、と整理していたため、現場で実務を回せる状態になっていました。とはいえ気にはなりますので、社内のSlackを見ながら状況を追っていましたが。

──関わらないのも、かえって不安になりそうですが……

小池:そこはもう、信頼です。私が口を挟んで改善できるものではありません。大きな方針の意思決定は私がしますが、それ以外は現場に任せるのが良いと考えています。

──テックブログでは、配布元の修正版が間に合わない事態に備え、エンジニアが自らPHPをビルドする準備を進めていたとあります。指示にない動きだったと思いますが、どう評価していますか

小池:その取り組みは、私の判断を経ずに進められていたものです。ただ、配布元の公開時期が読めず、数時間の待ち時間が生じる状況でした。その間に何ができるかを考えれば、私でも代替策は用意したと思います。翌朝午前6時までに必ず復旧させるという目標を全員が意識していたので、待っている間にできることをやってくれたのだと受け止めています。

──判断から実行まで、ここまで速く動けた理由はどこにあると考えていますか

小池:決して良い話ではないのですが、コドモンでは5~6月にインシデントが起きており、その再発防止を目指す中で、危機管理の対応体制が整備できていました。

 さらに、セキュリティへの投資も奏功しました。コドモンでは2025年12月から「プロジェクトイージス」として、セキュリティへの投資比率をかなり高めていました。今回の件を受けて投資額を増やす予定は特にありませんが、すでに確保している予算の中で配分していく方針です。

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