OpenAI、データセンター立地地域への約束と政策提言を発表 電力費の全額負担や公職者とのNDA不使用など

 米OpenAIは11月5日(現地時間)、AI向けデータセンターの建設・運営に関する地域社会への約束「National Community Compact」と、米国の連邦、州、地方政府に向けた政策提言「Compute Campus Policy Blueprint」を発表した。電力と関連インフラの費用を全額負担することや、公職者との秘密保持契約(NDA)を原則として結ばないことなどを盛り込んだ。

(画像:OpenAI)

 National Community Compactは、OpenAIが今後所有・運営するデータセンター(同社はデータセンターの呼び方を「Compute Campus」に変更した)に適用するものだ。施設ごとに地域との協定を設け、計画の初期段階から住民の意見を反映させ、取り組みの進捗を毎年公表する。

テキサス州で建設中の「Stargate」のデータセンター(画像:OpenAI)

 主な約束は、電力と必要なインフラの費用を全額負担し、計画の遅延や中止による費用を他の電力利用者に転嫁しないことだ。水の使用を抑えた冷却方式を優先し、施設ごとの電力・水使用量や第三者による騒音調査の結果も公開する。公職者とのNDAは、セキュリティ情報や企業秘密などの保護に必要な場合を除いて結ばない。地元住民の雇用や職業訓練も支援する。

 地域への投資例として、ジョージア州エフィンガム郡では480万ドルの助成により、郡内の児童・生徒約1万4000人に無料の学校給食を提供する。オハイオ州パイク郡では、OpenAIとSB Energyが保育支援に計600万ドルを拠出する。

 一方、Compute Campus Policy Blueprintでは、企業の自主的な取り組みだけでは不十分として、政府に業界共通のルール作りを求めた。大口電力利用者に送電網への追加負担を求める一方、電力需要の逼迫時に消費量を削減できる施設には送電網への接続を容易にするよう提言した。エフィンガム郡では、電力会社が需要のピーク時にOpenAIへの供給を最大1000MW削減できる契約を結んでいるという。

Compute Campusはデータセンターのこと

 このほか、電力・水使用量や雇用実績の情報公開、公職者にNDAを求める場合の制限、税優遇を受けた企業が約束を守らなかった場合の優遇分の回収なども提案した。

 OpenAIは1月に、データセンター立地地域への責任を定める「Stargate Community」を発表しており、今回の取り組みはその延長に当たる。

 米国ではAI向けデータセンターの建設急増に伴い、電気料金の上昇や水資源への影響を懸念する住民の反発が強まっている。11月3日の中間選挙では、データセンター規制を掲げた候補者が相次いで勝利した。米Washington Postによると、少なくとも38の地域で建設の禁止や制限を支持する投票結果となった。OpenAIの発表では、この選挙結果には触れていない。

 9月には米NVIDIAや米Googleなどが、電力需給に応じて消費量を調整するデータセンターの普及を目指す「AI Energy Management Alliance」を設立している。米Amazonも10月に電気料金への配慮や政府機関とのNDA不使用などを掲げる「Amazon Data Center Commitment」を発表した。

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