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女性が平日の昼間に遊ぶ“連ドラ”MMORPG――「ダイナスティア」(2/2 ページ)

» 2004年03月25日 08時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 その理由の一つは、初心者層向けにクライアントソフトをパッケージとして店頭販売したという点にあったようだ。

 「ほとんどのPCゲーム店は、男性向けアダルトゲームを主に取り扱っていて、初心者の女性はなかなか近づけない。かといって、女性もよく訪れる家電量販店で扱ってもらうには知名度が低かった」(石山さん)と販路に課題を抱えてしまう。しかも「女性は慎重。オンラインゲームという未知なものを受け入れるまでは時間がかかる」(桃木さん)と新しモノ好きが多い男性ネットゲーマーとは異なる事情もあった。そこで「口コミでじわじわユーザー数を増やす方針だった」(桃木さん)。

 しかし、ユーザー数の伸びのペースがスポンサー企業の期待よりも鈍かったため、スポンサーは撤退してしまう。利用していたisao.netのサーバも引き払ったが、応援したいという企業がサーバなどの無償提供を申し出て、継続にこぎつけた。

 今はスタッフも全員ボランティア。人手が足りず、せっかくのアイデアを生かしきれないのが悩みだ。「ゲーム中に出てくる町の人にも一人一人生活があるという設定で、シナリオやセリフも準備してある。しかしこれを更新ができる人がいない」(石山さん)。人を増やすためにはやはりスポンサーが必要だという。

 スポンサーを受け入れるシステムは用意した。ゲーム世界中に、実際に商品を販売できるオンラインショップを構えられるシステムが設けてあり、ケーキ店や化粧品店など、ターゲットが重なる企業の参入を期待している。また、途中からゲームを始めたユーザーがこれまでの歴史が見られる「過去見の部屋」では、過去の映像とともに、提供スポンサーが表示される仕組みもある。

 クライアントソフト、利用料ともに無料化し、まずはユーザー数や認知度を地道にアップしていく作戦だ。その上で実績をスポンサーにアピールし、事業化につなげたい考えだ。

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