パケットの中身問わないファイル転送技術、モバイル対応に
Digital Fountainは今週、自動車メーカーのホンダならびにXM Radioと契約を結び、自社のファイル転送技術をモバイル利用向けに提供すると発表した。
ホンダとXMは、車内利用向けエンターテインメントコンテンツの提供を推進する計画の一環として、Digital Fountainから「メタ-コンテンツ」技術のライセンスを受ける。Digital Fountainのチャーリー・オッペンハイマーCEO(最高経営責任者)は、「彼らは車が独立した情報アプライアンスになると考えている。通信がランダムにつながったり切れたりする走行中の多数の車にデータを送信するためには信頼できる方法が必要だ」と話している。
現在は有線ネットワークで利用されているメタ-コンテンツ技術は、XORアルゴリズムを使ってファイルをデータの固まりに分割し、ネットワークにマルチキャストする。そのファイルのコピーをダウンロードしようとするクライアントは、1から10まで正確にパケットをダウンロードする必要はなく、ファイルを受信する際に一定量のパケットを無作為に受け取るだけでいい。
これと同じ原則が、モバイル利用にも当てはまる。例えば5分の音楽番組をダウンロードしたいXM加入者は、ローカルにコピーするのに、5分相当のパケットを任意に集めるだけで済む。
「泉からコップ一杯分の水を汲むようなものだ。どの分子がカップを満たしているか気にせず、満たせばいいだけだ」とオッペンハイマー氏。
XMはDigital Fountain技術のライセンスを受ける狙いを公式に明かしていないが、車載ビデオの市場は対応機器が出回りだせば、大きなポテンシャルを秘めている。
XM Radioの先端アプリケーション担当上級副社長のニール・イーストマン氏は、「記録装置を備える車にXMラジオを届けられるようになったらすぐに、Digital Fountainの技術を利用してわれわれのサーバからファイルを転送できる。こうしたファイルはミュージックビデオや、マンガ、今月のお薦めの書籍などが考えられる。どんな種類のものでも、車に送信して保存可能になる」と語る。
ローカルに保存することで、ユーザーはコンテンツの停止、早送り、巻き戻し、再生を好きなだけできるようになる。こうした機能は、現在のリアルタイムXM放送では提供できないものだ。ただイーストマン氏は、こうした技術の登場はまだ先だとしている。ローカルストレージを備えたアフターマーケット機器の投入は2005年になり、自動車メーカーは2007年モデルからこうした機能を組み込み始めると同氏は見込んでいる。
Digital Fountainが実施したあるテストでは、それぞれ8Kバイト/秒の帯域を備え、1日当たりの接続時間60分のレシーバー5万台に2.5Mバイトのファイルを送信した。通常のファイル転送システムでは7.8日かかるところを、ほんの1日の3分の2強の時間で5万台すべてに配信できた。
オッペンハイマー氏は自動車向けエンターテインメントの分野のほかにも、Digital Fountainの技術を携帯電話で利用すれば、もっと効率的にソフトアップデートを配信できると考えている。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
肖像画をChatGPTに読み込ませて出力→加工して納品 委託先による著作権侵害で、小学館「サライ.jp」が謝罪
-
2
経営「AIでラクして早く帰って」→社員「帰らない」 工数最大9割減のDeNAも悩むAI効率化の壁
-
3
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
4
「POPOPO」サービス終了 開始から約半年
-
5
“自動で耳コピ”アプリ、ヤマハが無料公開 音源読み込み→3分でピアノ譜に
-
6
「iPhone Duo」実機をマニアック目線でチェック かな入力の分割不可、ケース装着時だけの隠し設定など
-
7
「食欲が削られる」――AIで作られた“気色の悪い飲食店メニュー”がXで物議 「実物を見たい」の声も
-
8
東京ゲームショウと生成AI ゲームの祭典で商談見込むベンダーたち
-
9
「不気味の谷を越えた」? 中国の美男美女型ロボット「U1」話題 286万円から
-
10
ドローン攻撃を受けたAWS中東データセンター、半年の復旧作業の末に「一部データは回復不能」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR