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「Intelチップ優遇」めぐり欧州各国で調査

» 2004年04月22日 08時55分 公開
[IDG Japan]
IDG

 欧州委員会は、ドイツおよびイタリア政府がIntel製CPU搭載のコンピュータを不当に優遇し、AMDなどの競合半導体メーカーに打撃を与えた事実がないかどうか判断するため、これらの国に対する調査を開始した。欧州委員会の広報官が4月21日明らかにした。

 欧州連合(EU)の公的調達手続きに関する法律では、契約監督当局による特定の製品・プロセスの指名買いが禁止されており、これに違反していないかが調査のポイントだと広報官のジョナサン・トッド氏は説明している。

 「3月30日にドイツとイタリアの両国に、書簡で情報の提示を正式要請した」と同氏。返答期限は5月30日だという。

 欧州委員会はまた、オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、オランダ、および欧州経済地域(EEA)メンバーのノルウェーに対しても同様の調査実施を検討している。スウェーデンも調査対象国だったが、トッド氏によるとスウェーデン当局からは先月、満足のいく公的調達手続き政策の説明があったという。

 欧州委員会は、各国政府がコンピュータの購入に必要以上に金を払っている可能性を懸念している。域内の数千の入札が、Intelチップを直接指名、あるいは間接指名する(例えば一致する製品がIntel製に限られるクロック値に言及する)形となっているからだとトッド氏。

 「これは、納税者から得た税金が相応の価値あるものに使われていることを確かめるための措置だ」と同氏は語り、欧州委員会が今年初めに発表した調査結果でも、公開競争入札の場合、調達費用の納税者負担が30%ほど削減できることが分かっていると言い添えた。

 AMD広報は、調査が行われていることを知っているとコメント。Intel広報担当はコメントを避けた。

 EUの調査は、米最高裁で20日に審理が始まったAMDとIntelの論争とは無関係。こちらは、IntelとIntergraphの訴訟に関連した文書が争点だ。AMDは、自社が欧州委員会に出した苦情の証拠として、この文書を活用したいと考えているとトッド氏は説明した。

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