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IBMとスタンフォード大、共同でナノテク研究所開設

» 2004年04月27日 08時32分 公開
[ITmedia]

 米IBMのアルマデン研究所とスタンフォード大学は4月26日、新分野のナノテクノロジー技術「スピントロニクス」研究に共同で取り組む「IBM-Stanford Spintronic Science and Applications Center」(SpinAps)の新設を発表した。

 半導体業界はこれまで回路の小型化を進めることで発展してきたが、現在の設計ではこれが困難になりつつあり、新手法を模索する研究が各方面で進められている。スピントロニクスは、超薄膜層からできた微小構造内部で電子のスピンを制御して、低消費電力のスイッチや不揮発性の情報ストレージといった特性を作り出すことができるため、大きな可能性があるとIBMは説明する。

 SpinApsでは、再設定可能なロジックデバイス、室温の超伝導体、量子コンピュータなど、まったく新しい特製を備えた新素材やデバイスの開発に取り組む意向。この研究から製品が生まれるのは、少なくとも5年先になるとしている。

 「SpinApsの研究者は、理論概念から実験による検証へ、そして新デバイスの構想から試作品へと発展する過程を劇的に加速させるだろう」と、スタンフォード大学のジェイムズ・プラマー工学部長はコメントしている。

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