ITmedia NEWS >

オフショア化抗議デモの中、IBM株主総会開催

» 2004年04月28日 08時39分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米ローズアイランド州プロビデンスで4月27日、IBMの年次株主総会が開かれた。米国外への業務移管、いわゆる「オフショア化」に反対する人々が会場前でデモを行う中での開催となった。

 サム・パルミサーノ会長兼CEOは、取締役会が配当アップを承認したという明るいニュースで総会を始めることができたものの、総会中、アウトソーシング戦略についての釈明も求められている。

 同氏は、単なる一米国企業にとどまらない、IBMのグローバルカンパニーとしての重要性を強調、「世界を一つのスキルプールと見なす」必要があると述べ、まだ始まったばかりではあるもののIBMが再訓練プログラムのHuman Capital Allianceに2500万ドルを投じていることを指摘した(3月2日の記事参照)。

 しかし、オープンな市場と世界規模の自由貿易の利点をたたえるパルミサーノ会長の発言からみて、IBMにオフショア化からの後退姿勢がないのは明らか。「多くの人は、職、ビジネス、スキル、および国を閉じ込めることはできないと知っている」とパルミサーノ氏は語り、IBMのような企業体の運営においては、「(米国民の)将来を代弁しないことだからという理由での同情」は禁物だと釘を刺した。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.