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» 2004年05月06日 16時38分 UPDATE

64ビットデスクトップの時代は2006年に来る?

業界ではデスクトップの64ビット移行はゆっくりと進むという見方が主流だが、あるアナリストは、「サーバは2005年半ばまでに、デスクトップは2006年までに」64ビット化すると唱えている。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 ある業界アナリストは、デスクトップコンピュータの32ビットから64ビットへの移行は、多くの専門家の予測よりも急速に進み、多数のユーザーが向こう2年以内に64ビットに乗り換えるだろうと主張している。

 Meta GroupのIT調査業務担当副社長スティーブ・クレインハンズ氏は、「64ビットデスクトップへの乗り換えは非常に迅速に進むだろう」と語る。同氏は今週シアトルで開催のMicrosoftのWinHECカンファレンスに集まった業界観測筋を前に、ユーザーの大半は2006年までに64ビットデスクトップへの移行を済ませるだろうとの見通しを示した。

 64ビット対応のプロセッサとOSを搭載するPCは今日のPCよりもはるかに多くのメモリを扱えるため、コンピュータ処理能力を大幅に強化できる可能性がある。サーバに関しては既に64ビットコンピューティングへの移行は進んでおり、クレインハンズ氏は「2005年半ばまでに64ビットサーバへの移行は完了する」と予測している。

 これまで大半の業界アナリストは、デスクトップの64ビットへの移行はもっとゆっくり進むものと予想してきた。Dataquestのアナリスト、マーティン・レイノルズ氏は最近、64ビットのデスクトップがメインストリームとなるまでには4年かそれ以上かかるだろうと予測している。

 だがAMDは既に64ビット対応のデスクトップ用プロセッサを出荷しており、Intelでも同様の態勢が整いつつあることから、クレインハンズ氏は急速な移行が進むという自身の見通しに自信を示している。「もうすぐ誰もが64ビットプロセッサを持つようになり、世界は64ビットに移行するだろう」と同氏。

ゲイツ氏も64ビットを推進

 Microsoftも64ビットへの速やかな移行を望んでいるようだ。同社会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏は5月4日の基調講演で、ハードベンダー各社に対し、今後の64ビットバージョンのWindowsへの対応に向けて新しいドライバの開発に着手するよう呼び掛けた。

 Microsoftはデスクトップ用Windows XPで初めてとなる64ビットバージョンのリリースを繰り返し延期してきたが、同社はようやく、このOSを今年中に投入する態勢が整ったとしている。2006年にリリース予定の次期版Windows(コードネーム「Longhorn」)はネイティブで64ビット機能を提供する。

 またゲイツ氏は、業界も急速な移行に向けて準備を進めていると語っている。

 「今はまだ64ビットプロセッサはほんのわずかしかないが、これから2005年末までの間に、AMDが出荷する事実上すべてのプロセッサとIntelが出荷する大半のプロセッサが64ビットになるだろう」と同氏。AMDとIntelはどちらも64ビット拡張機能を経済的にプロセッサに追加して、今日の32ビットアプリケーションでも高い性能を維持できるようにするための方法を編み出しているため、現行のデスクトップの移行に伴う不都合は特にない(2003年9月23日の記事参照)。

 ゲイツ氏は、これまでの移行は時には「厄介」なケースもあったが、32ビットから64ビットへの移行ははるかに容易なものになるはずだと予測している。「これまでよりもスムーズな移行になるだろう。そして、移行はこれまでよりも急速に進むことになるだろう」と同氏は語っている。

先行するAMD、追うIntel

 AMDは同社の人気プロセッサAthlon 64とAthlon 64 FXにより、明らかにデスクトップの64ビット化の流れを先導している。だが、Intelが最近64ビット拡張機能を備えたプロセッサの投入計画を発表したことを、AMDの成功に対する反射的な行動と見なすのは間違いだとMeta Groupのクレインハンズ氏は主張する。

 「Intelはただ64ビット拡張機能の追加を決めたわけではない」と同氏。Intelがかねてから独自プロセッサの開発に取り組んでいるのは明らかだが、AMDがデスクトップとサーバ向けの64ビット製品で成功したために、Intelも当初の予定より時期を早めて手の内を明かさざるを得なくなったのだという。

 「Intelは生態系の先を行くよりも、自社の製品を発表前に何度も入念にテストする方を好む」とクレインハンズ氏。さらに同氏は「おそらくIntelは発表のタイミングをもっと遅らせて、64ビット拡張システムの検証テストを続けたかったはずだ」と指摘している。

 だが実際には、ベンダー各社が相次いでAMD製品を採用し始めたため、Intelもそれに対抗して、初の64ビット拡張プロセッサを発表せざるを得なくなった。同社が初の64ビット対応Pentium 4を発表するのも時間の問題だろうとクレインハンズ氏は語っている。

 「Intelにとって、待つことにもう意味はない。足場を築き、あとは迅速に動くのみだ。いつまでもAMDの好きにさせておくわけにはいかないからだ」と同氏。

 クレインハンズ氏は64ビットへの移行が差し迫っているという点については確信しているが、今の時点で本当にそれほどの処理能力がデスクトップに必要かという点については確信はない。64ビット化で得られるだけのメモリを活かすサーバ用アプリケーションは多数あるが、それを活用できるデスクトップ用プログラムはほとんどないと同氏は見ている。

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