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» 2004年05月26日 17時28分 UPDATE

MSのサポート期間、最低10年に延長――乗り換え鈍化が背景に?

Microsoftは6月1日から、企業・開発者向け製品のサポート期間を最低10年に延長する。この動きを「製品の移行が以前ほど速く進まなくなっているため」と分析するアナリストも。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftは5月25日、新しい製品ライフサイクルポリシーを来月から導入し、製品のサポート期間を現行の7年間から最低でも10年間に延長すると発表した。

 新しいポリシーでは、ITインフラのセキュリティ確保のサポートも強化されると、Microsoftはサンディエゴで開催のTech Edカンファレンスで明らかにした。

 同社コーポレート副社長のアンディ・リーズ氏が基調講演で行ったこの発表は、聴衆の喝采を浴びた。

 Microsoftは現在、5年間のメインストリームサポートと2年間の延長サポートを提供している。6月1日から実施される新ポリシーの下、顧客は製品の出荷日から最低5年間メインストリームサポートの提供を受けるが、このサポート期間は次期バージョンの出荷後2年間自動的に延長される。このため、メインストリームサポート期間は5年以上になる可能性がある。

 また新ポリシーでは、メインストリームサポートの終了後、Microsoftは5年間、あるいは2番目の後継製品出荷から2年後までのいずれか長い方の期間、延長サポートを提供するという。「2番目の後継製品」は、製品の次の次のメジャーアップグレード版を指している。

 「新ポリシーの狙いは、顧客が次期バージョンへの移行にかけられる期間が2年未満にならないようにすることにある」とMicrosoftのシニアディレクター、ピーター・ヒューストン氏は語る。「今後、顧客は次の製品がいつ出るかは分からなくても、どれだけの期間サポートを受けられるかあらかじめ見通しを立てることができる」

 「SQL Server 2005のような製品の場合、今までのポリシーのままでは、顧客が移行できないうちにSQL Server 2000のメインストリームサポートが終了してしまうかもしれないという問題があった」と同氏は語る。

 SQL ServerはMicrosoftのデータベース製品で、SQL Server 2005は来年前半に出荷される予定だ。現行のSQL Server 2000のメインストリームサポートは2005年12月31日に終了することになっていたため、顧客がそれまでにアップグレードするための猶予期間は数カ月しかない可能性があった。

 Windows XPに関しても問題があったとヒューストン氏は語る。同OSのメインストリームサポートは2006年12月31日まで提供されることになっていた。次期WindowsクライアントとなるLonghorn(コードネーム)は2006年に出荷される見通しであるため、顧客はメインストリームサポート期間内に移行するのにごく短期間しかかけられないことになる。

 メインストリームサポートには、Microsoftが提供するすべてのサポートオプションとプログラムが含まれる。例えば無償および有償のインシデントサポート、時間制の有償サポート、保証要求のサポート、ホットフィックスサポートなどだ。

 延長サポート期間には、Microsoftはすべての有償サポートオプションとセキュリティフィックスを引き続き提供するが、製品保証の要求、設計変更、新機能の要望には対応しない。また、セキュリティに関連しないホットフィックスサポートは、新たに延長ホットフィックスサポート契約を結んだ上で提供される。

 Microsoftによると、新しいサポートライフサイクルポリシーの対象となるのは、同社の企業向けと開発者向け製品のうち、現在メインストリームサポート期間中の製品と、今後登場する製品。一方、コンシューマー向けソフトやハード、マルチメディア、Microsoft Business Solutions製品は対象にならない。

 「現在メインストリームサポートが提供されている企業向けと開発者向け製品は、すべて新ポリシーが適用される」とヒューストン氏。同氏は一例としてWindows 2000を挙げた。また、WindowsやOfficeのうちホームユースのバージョン、例えばWindows XP Home Editionなどには新ポリシーは適用されないという。

 現在延長サポート期間中の企業向けと開発者向け製品のユーザーも、個々の製品ベースでポリシー変更の恩恵を受けるかもしれない、とMicrosoftは述べている。同社はサポートポリシーを変更する場合、常に製品のロードマップ、顧客の移行ニーズ、業界の標準と要件を考慮に入れているという。

 Microsoftはこれまで製品ライフサイクルポリシーに関してたびたび批判を受けてきた(2月3日の記事参照)。同社は2002年10月に製品ライフサイクルポリシーを見直し、それ以降にリリースする製品と、それ以前にリリースしたWindows 2000やWindows XPなど特定のOSに適用した。

 この2002年10月のポリシー変更は、Windows 98には適用されなかった。ユーザーの反発を受け、Microsoftは今年初め、Windows 98とWindows 98 SEのサポート終了予定日の数日前に、延長サポートの提供という形で両製品を延命させることを決めた(1月14日の記事参照)。

 製品サポートの延長は、顧客が以前ほど早いペースでアップグレードしなくなっていることを認めたものだと、調査会社Directions of Microsoftの上級アナリスト、ピーター・ポーラク氏は指摘する。

 「製品の移行が以前ほど速く進まなくなっているため、Microsoftはついに通常サポートの期間を延長しなければならないと決断したのだろう」と同氏。

 新しいサポートポリシーについての詳細は、MicrosoftのサポートライフサイクルポリシーのWebサイトに掲載されている。

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