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斜め配線技術「Xアーキテクチャ」採用のSOC、東芝が量産へ

» 2004年06月08日 16時29分 公開
[ITmedia]

 東芝、日本ケイデンス・デザイン・システムズと、業界団体のX Initiativeは6月8日、半導体の斜め配線技術「Xアーキテクチャ」を採用したデジタルTV向けSOC(System On Chip)「TC90400XBG」の欧州向けサンプル出荷を、東芝が11月から開始すると発表した。量産は来年第2四半期から。Xアーキテクチャ採用のSOCの製品化は世界初だという。

 Xアーキテクチャは、東芝とケイデンスが開発した配線技術。半導体チップの配線層の一部を、斜め45度/135度に配線することで、碁盤目状に配線する従来方式よりも配線長を短縮でき、高速で省電力、低コストな回路を構築できるというもの。

 TC90400XBGは、デジタルTVやSTB向けのMPEG-2デコーダで、2chのSDデコードと1chのHDデコードが可能。従来方式で設計した場合よりも11%高速で動作し、Xアーキテクチャ適用部分の面積は約10%縮小したという。

 TC90400XBGは130ナノメートルプロセスを採用しているが、東芝は昨年10月に90ナノプロセスでのテストチップも試作済みで、加工技術も確立しているという。

 今後同社は、デジタル家電向けシステムLSI製品を中心にXアーキテクチャを順次導入し、システムLSIの競争力を強化するとしている。

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