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FTC、「スパム拒否リストは実効性なし」と結論

» 2004年06月16日 08時38分 公開
[ITmedia]

 スパムメールの受信拒否者を全米規模で登録する「Do Not E-Mail」リストの作成について検討を進めていた米連邦取引委員会(FTC)は6月15日、現時点でこうした制度を導入したとしても効率的な執行はできず、スパム削減どころか増大につながる可能性があるとの結論をまとめ、米国議会に報告した。

 米国では電話勧誘を拒否する「Do-Not-Call」リストが昨年導入され、一定の成果を上げている。このため同様の形でスパム受信を拒否するメールアドレスを登録し、登録者へのスパム送信を禁じる制度の導入が検討されていた。

 FTCはスパム拒否リストの作成方法として、(1) 個人メールアドレスを登録、(2) スパム受信拒否のドメインを含むメールアドレスを登録、(3) 無許可の商業メールをすべて独立系のサードパーティーに送り、そこからリストに登録されていないアドレスにのみ配信する制度――の3種類を検討した。

 しかし、個別のアドレスを登録すれば、スパム業者に利用されて逆に迷惑メール増大につながる可能性があり、セキュリティ/プライバシー上の大きなリスクを伴うと判断。ドメインの登録もスパム対策上の効果はなく、サードパーティーによる転送サービスは、電子メールシステムに甚大な影響を与える可能性があるとの結論に達した。

 スパム対策の取り組みは、スパム業者が送信経路を隠せないよう、強力な電子メール認証システムを開発することに重点を置くべきだとFTCは指摘。この目的で今年秋に「Authentication Summit」を主催、各種認証システムの分析と迅速な導入促進を図るとしている。

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