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» 2004年07月02日 08時21分 UPDATE

米控訴裁、ISPによる加入者のメール傍受を容認

米判事は、米国法ではISPなどが自社のサーバ内にある電子メールを読むことは禁じていないとの判断を示した。この決定をめぐり、ISPなどがメールを自由にスパイできるようになってしまうと懸念する声が出ている。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 インターネットサービスプロバイダー(ISP)の副社長が加入者あてに送られてきた電子メールを傍受しても、米盗聴法違反に問うことはできない――。米第一巡回区連邦控訴裁が7月1日、こんな判断を示した。プライバシー擁護の立場からは、この決定によってISPなどの電子メールプロバイダーが電子メールを自由にスパイできるようになってしまうと懸念する声が出ている。

 この裁判では、希少本掲載サービスInterlocの元副社長、ブラッドフォード・カウンシルマン氏を盗聴法違反の罪に問えるかどうかが争点となっていた。Interlocはその後別の会社に買収され、1998年、顧客の書籍業者向けに電子メールサービスを提供。その年の1月、カウンシルマン氏はライバルの書籍販売業者Amazon.comから送られてくる電子メールを読み取るコンピュータコードを作成するよう従業員に命じた。同氏に対して連邦地裁では無罪を言い渡し、今回の控訴裁でもこの判断を支持した。

 カウンシルマン氏は、民間人による通信の傍受を禁じた米盗聴法違反の罪に問われていた。しかし連邦控訴裁のジュアン・トルエラ判事は、米国法ではISPなどの電子メールプロバイダーが自社のサーバ内にある電子メールを読むことは禁じていないと指摘。同法では電子的な通信よりも、電信と口頭による通信の傍受防止に重点を置いていると言い添えた。

 Center for Democracy and Technology (CDT)や電子フロンティア財団(EFF)などのプライバシー保護団体は、今回の控訴裁の判断に疑問を投げかける。電子メールがInterlocのサーバに「1000分の1秒」ほど置かれていただけで、それが通過ではなく保存された状態にあったと判断したことにより、控訴裁は捜査当局やISPが電子メールを盗聴しやすくする道を開いてしまったと、CDTの法律顧問、レイラ・フリント氏は話している。

 現行法の下で、電子メールユーザーはプライバシーを期待すべきではなく、現行法では雇用主が提供する電子メールサービスとISPが提供する電子メールサービスを区別してはいないと、弁護士事務所Good and Cormierのアンドリュー・グッド氏は指摘。「雇用主や学校、ISPが提供する電子メールでは、本人の許可なくメールにアクセスされる可能性があることは誰でも知っていると思う」と話している。

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