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HPがセキュリティ問題でNetscapeの削除を呼びかけ

» 2004年07月02日 08時21分 公開
[IDG Japan]
IDG

 セキュリティ問題が原因で利用を避けた方がいいと言われているのはInternet Explorer(IE)だけではない。Hewlett-Packard(HP)はユーザーに対し、America Online(AOL)のNetscapeもHDDから削除するよう呼びかけている。サービス妨害(DoS)攻撃、情報漏洩、不正アクセス、リモートからのコード実行などを招きかねない、身の毛もよだつような脆弱性が「存在し得る」というのがその理由だ。

 HPは6月28日公表したアドバイザリーで、HP-UX版のUNIXでNetscapeをサポート対象から外したことを明らかにした。ユーザーには、Netscapeの基盤となっているオープンソースプロジェクトMozillaへの移行を呼びかけている。現在、セキュリティ上の懸念からIT管理者はIEの利用中止を検討しているが、HPの動きは、かつてWebブームの火付け役となったNetscapeが現実的な代替ブラウザとはほとんど見られていないという現実を物語っている。

 「HP-UXではNetscapeのアップデートを中止した。Netscapeは削除すべきであり、代替としてMozillaの利用を推奨する」と、HPのセキュリティアラートでは記している。HP-UX版のMozillaはHPのサイトで提供されている。

 Mozillaプロジェクトはオープンソースの開発モデルを活用する目的で1998年に立ち上げられた。Netscapeはこれに開発加速化の望みを託していたが、商用版のブラウザ投入までにかかった期間は32カ月。この間にブラウザ市場はIEに席巻されてしまった。ただ、これはIEの方が技術的に優れていたというよりも、Microsoftがデスクトップ市場を独占していたことによる。

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