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ネット上の「評判」を瞬時に判断 日本IBMが新技術

» 2004年07月26日 20時08分 公開
[ITmedia]

 日本アイ・ビー・エム(IBM)は7月26日、ネット上の大量の文章から企業や製品の評判を瞬時に分析できるという「評判分析ソリューション」を開発したと発表した。自社サイトの掲示板や、メールなどで寄せられた商品に関するコメントが、好意的か、非好意的かを瞬時に分析可能だという。コールセンターなどでの用途を想定している。

 同社のテキストマイニング技術「Text Analysis and Knowledge Mining」(TAKMI)を応用した。同技術では、文章から名詞や動詞、形容詞、係り受けデータを自動抽出し、各概念間の関係を分析。結果を相関図や時系列グラフなどで表示する。

 同技術を使い、分析対象となる文章が肯定文か否定文か、などを判断しながら、内容が企業や製品について好意的か、非好意的かも分類できるという。

 例えば「量販店でPCを買った。バッテリーの持ちはいいが、スタイルは気に入らない」というコメントがあれば、「バッテリーの持ちがいい→好評」「スタイルは気に入らない→不評」の2つの情報を取り出して分類する。競合する他社製品の評価との比較も可能だ。

 さらに「IBMのソフトを」で始まる文章について、続きが(1)「入れたら起動が早い」なら「好評」、(2)「入れても起動が早くない」なら「苦情」、(3)「入れたら起動が早いか?」なら「疑問」──といった具合に瞬時に分析する。文章の係り受けを抽出する技術に優れているのが特徴だ。

 同社のコンタクトセンターなどで試験的に運用しており、ユーザーコメントを分析する時間が従来の6分の1から10分の1に縮まったという。分析対象のコメントもこれまでは数%にとどまっていたが、導入後はほぼ100%になったとしている。

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