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Longhornのβ版にまた遅れ、セキュリティ強化の余波で

» 2004年07月30日 13時53分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftの次期Windowsクライアント「Longhorn」の最初のβ版が出るのは、2005年下半期以降になるだろう。待望のβ版リリースがまたしても遅れることになる。

 Microsoftはβ版リリースを2004年に予定していたが、先日には2005年初めにずれ込むと発表している(関連記事参照)。Microsoftの製品計画に詳しい筋が7月29日に話したところによると、Windows XP Service Pack(SP)2をはじめ、セキュリティ分野でやるべき取り組みを今も続けているため、β版の時期を再調整することになった。

 ある筋は、「2005年上半期にβ版を目にすることはないと思う。SP2は実に大変なものだ」と話している。

 Longhorn β版が最初に遅れたのも、SP2関連の開発作業が原因だった。このときMicrosoftは、多数のLonghorn担当開発者を、セキュリティに焦点を当てたWindows XP SP2の開発に割り当てたと説明していた。SP2は来月登場の予定だ。情報筋によると、基本的にSP2の開発とセキュリティ機能の強化の方が、もっと高い品質水準が設定されている。

 Longhornのβ版は、Microsoftが2005年下半期に開催する予定のProfessional Developers Conference(PDC)前にはリリースされると情報筋は語る。

 Microsoftは、Longhorn β版の前のテクニカルプレビュー版について、配布を継続する計画だとこの情報筋は伝えている。同社は既に、PDCと5月のWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)でプレビュー版を提供している。

 β版の遅れは、正式版の遅れにつながるかもしれない。正式版は現在、2006年にリリースされる見通しだ。Microsoft製品のβ期間は一般的に、少なくとも18カ月は続く。しかし、Windows Server 2003でそうだったように、Longhornなどの重要なリリースについてはテスト期間が延びるかもしれない。

 Windowsの新たなメジャーリリースとなるLonghornは、Microsoftにとって「大きな賭け」だと昨年ビル・ゲイツ会長兼チーフソフトウェアアーキテクトは述べていた。ゲイツ氏は、Longhornが「大きなブレークスルーになるリリース」だと表現し、Windows 95以来、最も重要なWindowsのリリースになると説明している。Longhornは、2001年後半にリリースされたWindows XPの後継に当たる。

 Longhornは、米ロサンゼルスで昨年10月に開かれたPDCで披露された。昨年のPDCは、Microsoftが同OSに搭載する多数の機能について、公式に発表した初めての場になった。

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