「インスタントメッセンジャー(IM)サービスとソーシャルネットワーキングサイト(SNS)は似ている」と、マイクロソフトでMSNを担当する丸岩幸恵さん(MSN事業部サービス部コミュニケーションサービスグループディレクター)は話す。
IMでは、オフラインの知り合いを友達リストに登録し、チャットで関係を深める。SNSでも、オフの知り合いを友達リストに登録し、趣味や友人関係などを知って関係を深める――オフラインとオンラインを行き来し、友人を一覧できるコミュニケーションサービスであるという点で、この2つは確かに似ている。
MSNが、9月12日に東京・代官山で行われるSNS「GREE」のイベント「GREE Night 2.0」への協賛を決めた理由はここにある。イベント中、SNSと親和性の高いIMとして「MSN Messenger」をGREEユーザーに紹介。友人と関係を深めるツールとしてGREEと一緒に使ってもらい、ユーザー増につなげる考えだ。
ユーザー同士が友人関係でつながっているGREEは、学校や会社など、オフラインコミュニティのメンバーがごっそり入っていることも多い。MSNは、こういったコミュニティのメンバーをまるごとMSN Messengerに取り込み、ユーザー数の拡大を図る算段だ。
国内約450万人のユーザーを抱えるMSN Messengerだが「ユーザーはまだまだ足りない」(丸岩ディレクター)。ユーザー増は、現状・唯一の収入源である広告収入を伸ばすのに必須なほか、将来予定している少額課金サービスのベースとしても必要だ。
「全ユーザーに必要な基本サービスは無料で提供し続け、コストは広告収入でまかなう。100人に1人が欲しいと思うようなコアなサービスは有料化して、さらなる収入源にしたい」(丸岩ディレクター)。450万人では課金のべースとしては少なすぎると見ており、「1000万人以上は欲しい」(丸岩ディレクター)。
またMSNは、IM、メール、ブログという3つのコミュニケーションサービスを将来的には連携させたい考えだ。「相手の居場所や状態に応じて、MSN側が自動でコミュニケーション手段を選択できるサービスを目指す」(丸岩ディレクター)。相手がPCの前にいればメッセンジャーが立ち上がり、外出中ならメールが送信されるといった仕組みをイメージする。
このようなコミュニケーションサービスの将来像を思い描きつつ、まずはベースとなる各サービスのユーザーを増やすため、GREEと協力していきたい考えだ。
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