米Adobe Systemsは9月27日、新しいデジタル写真のRAWファイルフォーマット「Digital Negative Specification」(DNG)を発表した。
RAWファイルは、カメラ内で処理される前の、カメラのセンサーがとらえたオリジナルの情報を含んでいる。融通が利くことと画質が高いことから人気が高まっているが、これまでRAWファイルの標準はなく、メーカーやカメラによってさまざまに異なっていた。DNGは各種デジカメの情報を格納できる統一フォーマットであり、この問題を解決するとAdobeは発表文で述べている。
DNGは、既に多くのプロプライエタリなRAWフォーマットの基盤となっているTIFF EP規格をベースにしている。DNGの強みは、カメラや設定に関する重要なデータを記述するためにファイルに含まれている必要がある一連のメタデータにあるとAdobeは言う。DNGは競合するRAWフォーマットを統一し、RAW画像と関連するメタデータをそのまま保存できる。また柔軟性があるため、メーカーはこれまで同様に独自のメタデータ領域を加えることもできるという。
DNG仕様はAdobeのWebサイトに掲載されており、ベンダー各社はDNGフォーマットをデジカメやプリンタ、ソフト製品に統合できる。法的な制限もなく、ロイヤリティの支払いも不要だ。
またAdobeはこの日、一般的に使われているRAWファイルを.DNGファイルフォーマットに変換する無償ツール「Adobe DNG Converter」をリリースした。このツールは65種類以上のデジカメのRAWファイルをDNGフォーマットに変換できる。
さらに同社は画像編集ソフト「Photoshop CS」を.DNGフォーマットに対応させるCamera Raw Plug-inのアップデートもリリースしており、www.adobe.com/camerarawから無償でダウンロードできる。
Microsoft、HPなどのハイテク大手や写真家がこのフォーマットへの支持を表明している。
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