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OracleのPeopleSoft買収、欧州でゴーサイン

» 2004年10月27日 08時01分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米OracleによるPeopleSoft買収提案に、欧州委員会がゴーサインを出した。EUの競争政策担当委員マリオ・モンティ氏が10月26日発表した。

 欧州委員会は声明の中で、両社の合併がエンタープライズソフト市場の競争阻害につながることを十分裏付けるだけの証拠が見つからなかったと説明した。

 これにより、OracleがPeopleSoftの敵対的買収を進めるにあたって残っていた規制上の障壁は取り除かれたことになる。

 欧州委員会は合併がエンタープライズソフト市場に与える影響について綿密な調査を実施。その上で、企業向けのソフト供給源となる大手の数は合併によって3社から2社に減るが、それでもこの市場の競争は維持されると結論付けた。

 特に、企業は通常、エンタープライズソフトプロジェクトにはさまざまなベンダーの入札を募るものであり、大規模かつ複雑なプロジェクトの入札でほかのベンダーがOracle、PeopleSoft、SAPを押さえて契約を獲得した例も過去にあると指摘している。

 ビジネスアプリケーションソフト市場では比較的新参のMicrosoftでさえ、エンタープライズ分野の入札で契約をものにしており、従って競争が一層促進されているようだと同委員会。

 今回の結論は、人事/財務管理ソフトプロジェクトの入札を何百件にもわたって分析した上で出された。Oracleの入札慣行は、PeopleSoftやSAPが対抗入札を行っているかどうかで影響を受けてはいないと結論、Oracleによる値引き提案は、PeopleSoftやSAPの提案に競り勝つことだけを目的としたものではないと指摘している。

 また、製品の違い、各社のシェアの大きさの違い、および価格が不透明であることは、市場での談合が存在しないことを示すものだとしている。

 今回の決定を下すに当たり、欧州委員会は米司法省(DOJ)と緊密に協力したと述べている。DOJは合併に反対したが、サンフランシスコの連邦裁判所で先月、独禁法を根拠にOracleによる買収阻止を目指したDOJの訴えが退けられた。欧州委員会の調査では、この訴訟で使われた証拠も考慮に入れたという。

 PeopleSoftは同日の欧州委員会の発表を受けて談話を出し、今回の決定の意味するところを取締役会で検討すると表明した。PeopleSoft取締役会は「Oracleから提案があるたび、熟慮の上で全会一致で退けてきた」と強調している。

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