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ハロで芳香剤革命――「ハロマテラピー」誕生秘話(2/2 ページ)

» 2004年11月01日 09時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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静音化に苦労したハロボディ

 ボディ開発はバンダイが担当した。電池駆動の芳香器を手がけるのはもちろん初めてだ。

 香りを遠くまで飛ばすため、ファンを内蔵した。ボディは左右に揺れるようにし、かわいらしさを演出しようと考えた。「小さなボディにファンやギアなど全部品を詰め込むのに苦労した」と、開発にあたったライフスタイルカンパニー ライフ事業部 日用・家庭雑貨チームの高尾大樹サブリーダーは振り返る。

 やっと出来上がった試作品は、動作音が耳に付いた。香りでリラックスしてもらうのが目的なのに、うるさい音でイライラさせてしまったら元も子もない。動きを犠牲にせず、静かに動作させるのはどうすればいいか。構造やギアの素材、ギア比の見直しなど、細かい調整がぎりぎりまで続いた。

 開発は1年かかった。玩具の開発期間が平均6ヶ月程度なことを考えると異例の長さだ。妥協せず、作りこんだ。

「いつもの花王のお客様と様子が違う」

 10月14日。ハロマテラピーはリリース発表にこぎつけた。物珍しさも手伝ってか、複数のメディアに取り上げられ、花王には、消費者からの問い合わせが相次いだ。「いつもの花王のお客様と様子が違う」。西口部長は驚いた。

 問い合わせの多くが、インターネットでいつから買えるようになるのか尋ねるものだったからだ。花王のユーザーはネットに縁が薄い主婦が大半。ネットで商品を買いたいという問い合わせはこれまでほとんどなかった。新しい市場開拓の手ごたえを感じた。

 売り上げ目標は3月末までに10万個。芳香剤の出荷数としては少ないが、おもちゃとしてはヒット商品のレベルだ。「もし売れれば、室内芳香剤に新しい方向性をつけることができる」。西口部長は期待半分、不安半分で売れ行きを見守る。

左からバンダイの奥山ジェネラルマネージャー、花王の西口部長、バンダイの高尾サブリーダー
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