3D設計のライトワンスメモリチップ提供計画の発表から3年、米Matrix Semiconductorの幹部が同メモリチップの量産開始を明らかにした。
Matrixは今月、顧客に向けて100万個の3Dメモリチップを出荷する。生産はTaiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)が担当、0.15マイクロメートルプロセスを採用する。
Matrixの営業担当副社長、ダン・スティーア氏によると、書き換え可能なフラッシュメモリを使った64MバイトMMCカードが1000個ロット時で15ドル程度するのに対し、同社のメモリチップを採用した64MバイトMMCカードは9ドル(1000個ロット時)になるという。
Matrixのライトワンスメモリチップを採用したメモリカードは、携帯電話などの機器向けに、音楽や動画、ゲームなどのコンテンツを載せて提供されるカードに採用されるだろうとスティーア氏は語っている。
3Dメモリチップは、チップ上のメモリセル密度を多層化によって上げている。メモリセルを多層化することで、小さなスペースにより多くのセルを作ることができ、メモリチップの小型化が実現する。このため、1枚のシリコンウエハーで生産できるチップの数が増え、製造コストも抑えることができる。
Matrixは3Dメモリチップの販売計画を2001年12月に発表。当時、2002年には市場投入するとしていた。だが計画は遅れ、2年間近く、同社はその理由を説明してこなかった。ところが今年に入り、同社は再び3Dメモリチップの計画を語り始め、8月にサンプル出荷開始を発表。そして、これまでの遅れは、3D設計チップの生産が当初の予想より難しかったためだと説明した。
Matrixは10月、Mattelとの契約も発表した。Mattelは米国で先月発売した子供向けのメディアプレーヤー「Juice Box」のカートリッジにMatrixのメモリチップを採用する。Matrixは、さらに年内にもう1社、顧客を発表するとしている。
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