MIT、欧州のデジタル技術研究所を閉鎖
米マサチューセッツ工科大学(MIT)は、デジタル技術の革新的な研究所Media Labsの足場を米国外に築く上ではあまり運に恵まれていないようだ。
Media Labs Europeの理事会は1月14日、新たな資金調達モデルに関して合意に至らなかったことを受けて、ダブリンに置かれた研究所を閉鎖することを発表した。
MITが、米国外へ研究活動を拡大するための事業から身を引く決定を下したのはこれで2回目だ。同校は2年前、2001年にインドのバンガロールに設立したMedia Labs Asiaへの関与をやめた。ここでは研究の方向性をめぐって2つの陣営が対立し、その後MITはこの施設をインド政府に譲り渡した。
今回問題となったのは、研究の方向性ではなく金だった。
Media Labs Europeは2000年に開設され、アイルランド政府から始動のための助成金を受けた。主に企業からの補助金により、自立した研究所になる計画だったが、2000年に始まったハイテク不況で多くの企業が技術支出を削減せざるを得なくなり、企業による支援は実現しなかった。
MITもアイルランド政府もMedia Labs Europeの運営を続けるための資金を出し渋ったため、理事会は、この研究所を閉鎖するほかに選択肢がなかったと発表文で述べている。
この4年で、Media Labs EuropeはBT Group、Intelなどの有名企業との共同研究プロジェクトを20件以上設置した。
Media Labs Europeの理事は、ロックバンドU2のエッジ、MIT Media Labsの共同創設者ニコラス・ネグロポンテ氏が参加。理事会は発表文で、ダブリンの研究所は「画期的なポテンシャル」を持つ幾つかの高度なプロジェクトに携わっていたと述べている。同研究所は14件の特許を出願済み。
同研究所が関与していたプロジェクトには、仮想・物理現実を融合する「閾値」デバイスや、特に触覚にフォーカスしてデジタル世界との交流体験をリッチにするマシンの開発などがある。
アイルランド政府は、Media Labs Europeがダブリンにほかのハイテク企業を引きつけることを期待していた。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「セキュリティソフトも売ってるのに」ソースネクスト会員情報漏えい、パスワード含む最大2252万件 API不正利用される
-
2
「『楽天カード公式』から詐欺メール」報告相次ぐ ドコモメールに公式マーク付きフィッシング、一部企業の認証設定に脆弱性
-
3
研究者グループ、中国Tencentのクラウド上の“逸脱”AIエージェント群と交信 報告書の隠しテキストで呼び込む
-
4
Microsoft、3つの国際的な犯罪ネットサービスを解体へ 日本狙った詐欺がきっかけ
-
5
バーガーキング、約1118万件漏えい 公式アプリ会員システムに不正アクセス
-
6
Amazon、Beeの新AIデバイス2機種発表 リストバンド型とスマホ装着型、会話を要約し「Alexa+」と連携
-
7
デジハリ大、「Claude」を全学導入へ──国内初、“回数気にせず”使い放題に
-
8
デンマークの880万人分流出、原因はパスワード「123456」 ハッカー「侵入は難しくなかった」 現地報道
-
9
Anthropic、METRの評価チームを社内に常駐させ“従業員並み”のアクセス付与 公表に拒否権なし
-
10
Tesla、新型「Roadster」発表 SpaceX技術で“飛べる”モデルも 日本でも予約受付中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR