インターネットユーザーを密かにWebカメラで記録し秘密情報を盗み出すトロイの木馬を作成した疑いで、スペインの警察が37歳の男を逮捕した。
容疑者はマドリッド在住のコンピュータプログラマーで、氏名の頭文字はJ.A.S。警察は「Tic-Tac」と名付けた作戦で1月17日に自宅を急襲、Webカメラでネットユーザーをスパイしているところを捕らえたという。
この男は、KazaaのようなP2Pのファイル交換ネットワークで拡散するトロイの木馬プログラムを作成した容疑がかけられている。このトロイの木馬は画像や楽曲のファイルに隠すことができ、ダウンロードされるとリモートから被害者のコンピュータに侵入できる。侵入者はキー入力記録プログラムをインストールして、銀行口座のパスワードといった秘密情報を記録したり、そのコンピュータに保存された写真などの情報にアクセスできる。さらに、そのコンピュータに接続されたWebカメラを操作して、カメラの視野に入るものを見たり記録することも可能。
このトロイの木馬は「非常によくできている」と警察は説明、既に複数の国で数千万のコンピュータに感染していると見る。警察が把握している限りでは、商用のウイルス対策製品ではこれは検知できないという。
容疑者が作成したとされるトロイの木馬が特定されていないため、ウイルス対策各社は自社の製品でこれを検知できるかどうかを確認しようがないと、Sophosの上級技術コンサルタント、グラハム・クルーリー氏は話している。
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