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「アフィリエイトは営業マン、AdSenseは電話帳」

» 2005年03月02日 13時25分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 米LinkShareステファン・メッサー会長兼CEOとハイディ・メッサー社長兼COOが、日本法人「リンクシェア・ジャパン」の設立を記念して来日。日米のアフィリエイトに対する意識の違いや、検索広告との比較について語った。

ハイディ・メッサー社長兼COO(左)とステファン・メッサー会長兼CEO

 国内のリンクシェア事業は2001年、三井物産の社内ベンチャーとしてスタート。米本社とシステムやサーバを共有してコストを抑えつつ順調に成長してきた。2005年1月1日に三井物産から分社独立している(関連記事参照)。

 メッサー会長によると、アフィリエイターという商品の仲介役を通じた購入の仕組みは、アメリカ人よりも日本人に受け入れられやすいという。「アメリカ人は直接的な取り引きが好きだが、日本人には、誰かに購入を決める手助けをして欲しいと考える文化がある」(メッサー会長)。アフィリエイトは日本人の特性に合っており、市場は今後も拡大すると見る。

 アフィリエイトと同様、ネット広告として脚光を浴びているのが、サイトの文脈に合った広告を表示する米Googleの「AdSense」だ。メッサー会長は「AdSenseは電話帳、アフィリエイトは営業マン」と表現する。「文脈に合った広告が自動で入るAdSenseは、商品を直接扱わないサイト――例えば、詩を公開するWebサイトなどでも活用できるのがメリットだ。アフィリエイトはEC型のサイト向け。商品に対して直接コメントできるため、AdSenseよりも影響力は高い」(メッサー会長)。

 国内のアフィリエイトは物品の販売が目立つが、コンテンツ販売も主要ターゲットの1つ。「米国のiTunes Music StoreはLinkShareの重要なパートナー」(メッサー会長)。アーティストのファンサイトに、音楽コンテンツのアフィリエイトリンクを添付すれば、コンテンツを効率よく販売できるという。音楽配信サービスは国内でも本格展開が始まっている。各社がアフィリエイトを導入すれば、市場拡大のスピードが早まるかもしれない。

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