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見えないセンサーが見張ってます 窓ガラスに防犯対策

» 2005年03月29日 20時09分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 窓ガラスに装備した“透明センサー”で泥棒の侵入を検知――綜合警備保障(ALSOK)とフィグラは、防犯機能付き窓ガラスを4月に発売する。金属を溶かし込んだガラスに数ミリアンペア程度の微弱な電流を流し、ガラスが割れたり焼き切られたりすると抵抗値の変化を検知。接続した防犯システムがサイレンを鳴らし、ALSOKの防犯センターに通報する。

見た目は普通のガラス窓と変わらない

 ガラスに特殊金属膜を溶かし込むフィグラの特許技術を活用した。2枚のガラスを重ねて強度を高めた「合わせガラス」の合わせ面に通電するため、表面を触っても感電しない。窓枠と窓の接触面にもセンサーを設置したため、窓が開いても検知する。

 振動を検知する従来型のセンサーと違い、ペットがガラスを引っかいて振動させたり、地震や強風で窓が震えた場合に誤作動が起きない。窓の透明度も損なわれず、表面に機器を取り付ける必要もないため美観が保てるとしている。

ガラスが割れると右側に設置した通報システムが作動。光が点滅してサイレンが鳴り、ALSOKの防犯センターに通知する

 価格は600ミリ×900ミリで4万円と、市販の窓ガラスとほぼ同等に抑えた。4月から予約販売を受け付け、5月に正式販売をスタートする。ALSOKや関連会社の防犯システムとセットにし、設計事務所やサッシメーカー、ハウスメーカーなどに売り込む。

 「住居侵入の3分の2がガラスを破りによるもの」――ALSOKの田村彰常務執行役員は、窓ガラスの防犯対策の重要性を強調した。高まる防犯意識を背景に、初年度4000枚、2億円の売上を目指す。

 また、同じ仕組みの窓ガラスに100ボルトの電流を流して温度を上げ、窓から室内を暖める「窓暖房ガラス」も同時発売する。将来は、防犯ガラスと窓暖房ガラスを一体化した商品を開発する計画だ。

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