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Flash Player 8はビデオに重点

» 2005年04月08日 12時16分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Macromediaの技術計画は、Webベースのビデオ体験を強化することに重点を置いている。同社関係者が4月7日、Flashforward2005カンファレンスで明らかにした。

 同社幹部はFlash Player 8(コードネーム「Maelstrom」)、Flashオーサリングツール次期版「8ball」、携帯電話向けコンテンツ配信技術「Flash Cast」などの将来の技術の一端を披露した。ただしこれら技術の具体的なリリース予定についてはコメントしなかった。

 「ビデオはFlash Playerの大きな新トレンドだ」とMacromediaの執行副社長兼チーフソフトウェアアーキテクト、ケビン・リンチ氏。ビデオサポートはFlash 6から提供されているが、広範な採用は今始まりつつあるところだという。Flash 6は2001年にリリースされた。

 Flash Playerをビデオ表示に利用することが好まれているのは、この技術がユーザーのデスクトップに普及しているからだとMacromediaは語る。「ビデオはWeb上でほかの要素と同じように扱うべきだ」とFlashオーサリング担当技術製品マネジャー、マイク・ダウニー氏は語り、ペンシルバニア州やAdidasなどの組織が利用しているFlashベースのビデオデモを披露した。

 「ビデオは実際に全体的なユーザー体験を向上させる。単に画像を見るだけでなく、人が動き回る様子が見えるからだ」(ダウニー氏)

 次世代Flash PlayerのMaelstrom(デモ画面では「Flash Player 8」とされていた)ではレンダリング性能が向上し、ライブビデオのぼかしや、「グレースケール」を適用して画像にグレーの色合いを加えるといった効果が可能になる。

 カンファレンスで披露されたキャンドルのビデオデモでは、炎を高くするなどの効果が示された。「ビデオの一部のように見えるが、そうではない。これはすべてキャンドルの静止画像から作ったものだ」とリンチ氏。さらに、ビデオをほかのグラフィックスと組み合わせることも可能だ。またFlash Player 8のビデオコーデックは、同じビットレートでもより品質が高いという。

 Flash Player 8ではテキストも強化されており、フォントレンダリングも「現行版より向上している」と同氏は語った。

 Flashオーサリングツールの8ballは、ビデオ処理を容易にし、携帯電話向けのオーサリング体験を向上させることを主眼としている。ActionScript処理が強化され、ユーザーインタフェースやマニュアル、ワークフローが改善されているとMacromediaの製品開発担当上級ディレクター、ダグ・ベンソン氏は説明した。

 Flashのインタフェースは、MacromediaのWeb開発ツール「Studio MX Professional 2004」と密に連結されている。インタフェースのカスタマイズも8ballの目玉となっている。

 デモにはアニメーションの犬が登場し、犬の後ろに影を表示することができた。

 「このリリースは、創造力を実現することを目指したものだ」とベンソン氏。

 イベントの参加者たちは8ballに満足のようで、影付けなどの機能に注目していた。単に平板なグラフィックスを作成するのとは逆に、「さまざまな種類のコンテンツの作成をどこから始められるかが分かる」とState Farm Insuranceのマルチメディア開発者スティーブ・ウッド氏。

 Macromediaのデモによると、Flash Cast技術は携帯電話の画面をTV画面のように見せる。デモではCNNのビデオフィードを携帯電話に送る様子が披露された。「これは携帯電話のすべての機能を使って、優れたFlashコンテンツを表示する」とMacromediaのモバイル・デバイスマーケティング担当副社長ゲリー・コバックス氏は説明した。

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