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800度にも耐えるペルチェモジュール

» 2005年04月25日 20時01分 公開
[ITmedia]

 東芝は4月25日、耐熱温度が800度と世界最高のペルチェモジュールを開発したと発表した。半導体製造など、従来は高温でペルチェモジュールを使えなかった分野でも利用が可能になる。

 ペルチェモジュールは、電流を流すことで温度差が生じる「ペルチェ効果」を持つ半導体(熱電変換素子)を使用した温度調節装置。PCのCPU冷却に使われることもある。

 市販モジュールの耐熱温度は250度程度と低く、高温環境下では使用できない。東芝が開発した「bluetopaz」では、原子力発電プラント用構造材料などを採用することで、800度までの高温下でも使用できるようにした。

 モジュールサイズは4センチ四方で、最大吸熱量は128ワット(12アンペア、650度の場合)。電流の方向を変えれば冷却・加熱とも可能だ。

 ペルチェモジュールは応答性が速いため、半導体製造プロセスや工作機械などの精密な温度調節に利用されている。新製品を活用し、高温域での温度調節に対応した製品開発を進める。

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