独SAPは中小企業向けビジネスソフト市場でMicrosoftと競争するが、企業内で両社の製品を連係させる技術とデスクトップ市場に関しては協力する意向だ。このような曲芸的な行為をSAPはマスターするだろうと、ヘニング・カガーマンCEO(最高経営責任者)は語った。
「両社は顧客が求めてきたソリューションを提供するために協力する」とカガーマン氏は4月26日、コペンハーゲンで開催のユーザーイベントEuropean SAPPHIREでの記者会見で述べた。「しかし、われわれは競争もしていく。ミッドマーケットではMicrosoftと戦い続けるつもりだ。このセグメントでの競争戦略を変えるつもりはない」
カガーマン氏によれば、今回の提携は非独占的、つまりMicrosoftは他社と同様の製品を開発できる。
製品ラインを統合する最も簡単な方法は両社の合併ではないのかとの質問に対し、同氏はナーバスにほほえんで、その質問には昨年答えたと語った。
エンタープライズアプリケーション市場に足がかりを築く一環として、Microsoftは2003年にSAPと合併交渉を始めた。Microsoftは合併はリスクが大きいと判断し、数カ月後に交渉は終了した。両社は昨年書面による声明で、合併交渉を再開する意向はないと表明した。
両社は年内に、共同開発した製品(コードネーム「Mendocino」)を投入する計画だ。MendocinoはSAPの主力ERP(エンタープライズリソースプランニング)製品とMicrosoftのOffice製品を連係させる。ただ両社は、この製品をSAPのR/3の後継であるMySAP ERPやOffice 2003など最新製品に対応させるつもりだ。
「DOSにまで戻って移植することは可能だったが、どこかで止めなくてはならない」とSAPの製品&テクノロジー部門社長で取締役のシャイ・アガシ氏。「顧客はある時点で革新を求めていた」
販路に関しては、両社は共同開発した新製品だけを販売し、互いのポートフォリオは販売しないとカガーマン氏。「今回の提携は、共同設計・サポートする製品のみにフォーカスしている」
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