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ゲイツ氏、技術者ビザの発給制限廃止を訴え

» 2005年04月28日 08時32分 公開
[IDG Japan]
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 米国ではH1-Bビザプログラムの下、米国のIT企業が国外から採用できる人数に制限を設けているが、米国議会はこの制限を撤廃すべきだと、Microsoftのビル・ゲイツ会長が4月27日発言した。

 もし1日だけ権力を与えられて米国の政策を何でも好きなように変えられるとしたら何をするかとの質問に対してゲイツ氏は、H1-Bプログラムを廃止すると答えた。このプログラムでは高度な技能を持った就労者に与えられるビザの発給数に制限を設けている。ゲイツ氏が参加したパネルディスカッションは、MicrosoftがスポンサーとなってワシントンD.C.で開かれたもので、米国の革新および他国との競争をどう促進するかがテーマだった。

 「H1-B云々の背景にある考え方は『有能な人材があまりたくさんこの国に入って来ないように』ということに尽きる。これは基本的に意味をなさない。このグローバルな競争の中にあって、われわれ自身を傷つけるだけだ」とゲイツ氏。

 ゲイツ氏とMicrosoft研究部門の上級副社長リチャード・ラシド氏は2人とも、同社はコンピュータ科学の技能を持った求職者を十分確保できないとの不満を口にし、H1-Bビザの発給制限(現在は年間6万5000人)が原因でトップレベルのIT就労者を引き付ける能力が損なわれていると指摘した。

 米国の教育制度が輩出する数学・科学の卒業生はインドや中国などよりも少なく、こうした国ではトップレベルのIT就労者が米国企業で働くよりも自国にとどまることを選ぶ場合も多いとゲイツ氏。

 フォーラムには米国議員2人と大学学長1人が出席していたが、ゲイツ氏の主張に対して異論はほとんど出なかった。米商務省技術次官のフィリップ・ボンド氏は、米国では現在、エンジニアの失業率がほかの分野に比べて高いため、H1-Bにまつわる問題は複雑だと指摘している。

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