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PCに映像130時間分、音楽は311曲──ユーザー平均

» 2005年06月02日 20時50分 公開
[ITmedia]

 野村総合研究所(NRI)が6月2日に発表した、家庭内でのデジタルコンテンツ流通に関する調査によると、ネットユーザーは平均で、商用映像を約130時間分、商用音楽を約311.4曲分PCのHDDに保存していた。

 4月27〜28日にかけ、1000人(HDDレコーダー所有者・非所有者半々)を対象に映像・音楽コンテンツの利用状況や家庭内LAN敷設状況などを調べた。

 テレビ番組や映画など、商用の映像コンテンツをPCのHDDに保存しているユーザーは14.6%。平均蓄積量は58.9Gバイトだった。1MbpsのVHS画質で130時間分(124時間分)に相当する。

 HDDレコーダー所有者に限ってみると、20.4%がPCのHDDに映像を保存し、平均蓄積量は54.9Gバイト(124時間分)。市販DVDは27.9枚、録画番組DVD-Rは26.7枚、番組VHSは61.9本持っており、DVDよりもVHSの数が多いという結果。商用DVDソフトの月平均購入枚数は0.4枚、レンタル枚数は1.35枚。ビデオオンデマンド(VOD)利用率は26.6%だった。

 HDDレコーダー所有者の映像コンテンツ視聴時間は、テレビの生視聴が1週間あたり平均16.2時間、録画番組が同10.4時間。HDDレコーダーへ録画番組数はは同8.5番組で、一度見たあと消去するのが同5.5番組、保存するのは同3.46番組、一度も見ないで消去するのは同0.48番組だった。

 PCに蓄積したコンテンツをテレビで見る人は全体の15.2%。HDDレコーダー保有者に限ると22.0%となる。HDDレコーダーに蓄積したコンテンツをPCにコピーしている/してみたいと答えた人は50.8%にのぼり、HDDレコーダーとPC間でコンテンツを相互利用するスタイルが、一部のユーザーで浸透しつつあることが分かった。

 携帯機器による映像視聴の経験者は5.3%。HDDレコーダー所有者に限ると、10.8%に増える。視聴形態は、ノートPCによるものが6割を占めた。携帯機器で映像を見てみたいと答えた人は33.5%いた。

リッピング経験者はHDDプレーヤーユーザーの7割

 CDやMDのパッケージ音楽をMP3などのファイルにしてPCに保存していると答えたのは30.0%。平均蓄積曲数は311.4曲(1曲4Mバイトで換算すると1.24Gバイト)だった。

 HDD搭載型音楽プレーヤーのユーザーに限って見ると、PCへの音楽ファイルを保存率は60.4%。平均曲数は485.6曲に増える。平均CDソフト購入枚数は月1.6枚、レンタル枚数は1.8枚。市販CDの保有枚数は214.11枚。MDは26.8枚、CD-Rは25.0枚持っていた。

 HDD型音楽プレーヤーユーザーの、購入済みCDのリッピング経験者は72.3%で、平均135.0枚リッピングしていた。レンタルCDのリッピング経験者は55.3%で、平均枚数は60.5枚。有料音楽ダウンロードサービス利用経験者は23.7%で、平均購入数は月2.24曲だった。

 回答者全体での家庭内LANの敷設率は41%。敷設していないユーザーの26%が「敷設したい」と答えている。

 コンテンツの蓄積と家庭内LAN構築が進めば、どのコンテンツをどのハードで視聴するかという選択権がユーザーにゆだねられる。この結果、現在メディアが担っているコンテンツの選択・編集機能や番組編成権がユーザーに移行すると同社は予測している(関連記事参照)。

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