Apple Computerが6月6日にIntelプロセッサへの移行を発表した際、真っ先に支持を表明した1人にロズ・ホー氏がいた。MicrosoftのMacintoshビジネスユニット(Mac BU)のジェネラルマネジャーだ。
Microsoftの広報によれば、Mac BUはこの支持姿勢を裏付ける製品の開発に既に着手している。主なプロジェクトに、Office for MacとVirtual PC for Macの次期バージョンなどがある。
Mac BUはプラットフォームの移行に対応可能なソフトを開発するため、Appleの技術者から協力を得て、開発ツールのXcodeで作業を進めている。Appleが将来発売するハードでもネイティブに実行できる、ユニバーサルバイナリ形式のOffice次期バージョンの開発だ。
現在バージョン2.0のXcodeは、リリース当時、開発者がMac OS X対応のアプリケーションを作成しApple技術の利点を生かせるようにと提供されたもの。Xcode 2.0は、Mac OSをUNIXや各種の開発技術と統合する。
これまで、Mac BUはXcodeの利用で知られてはいないが、今回のプラットフォーム移行により、Xcodeにもっと触れ、経験を積んでいくことになる。
Microsoft広報によれば、Mac BUは、現行版のアップデートの仕上げ作業にも忙しい。Exchangeユーザー用Entourageの改良、新しいTigerの機能、Mac用Messengerの新バージョンが数カ月以内にリリースされる予定。
Mac BUは開発作業の真っ最中だが、一部のアナリストは、Appleのプロセッサ移行の結果としてMac BUや同部門の製品に、驚くような大きな変更が生じることは恐らくないと予想している。
「開発上の大きな変化には、ある程度時間が必要だ」とIDCのアナリスト、ロジャー・ケイ氏。「だが、興味深い注目点は、この動きによってAppleのプラットフォームがMicrosoftの市場に進出し始めるかどうかだ。そうなったら、かつてのプラットフォーム対決のような構図がまた生まれる。そしてMac BUでも大きな変化が起きるだろう」
観測筋はそうした展開も視野に入れているが、もっと小さな変化が来年およびそれ以降に起きる可能性も高い。
Jupiter Researchのアナリスト、マイケル・ガーテンバーグ氏は、Virtual PC関連でそうした変化が起きる可能性を指摘している。Virtual PCは現在、Mac上でWindows環境をエミュレートするために使われている。
1つのプラットフォームで両方のシステムをサポートできるとしたら、Virtual PCはほとんど必要なくなるだろう。「本物のWindowsが使えるなら、なぜエミュレートする必要がある?」とガーテンバーグ氏。
全体としては、プラットフォームの移行はAppleとその顧客、そしてMac BUにプラスの変化をもたらすだろうとガーテンバーグ氏は言い添えた。
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