米AT&T Corp.のセキュリティ専門家は、CNNの先例に倣おうとしている。同社は来年、毎日24時間インターネットセキュリティニュースをビデオストリーミング放送するサービスを開始する計画だ。AT&T Labsの幹部が明らかにした。
このサービスは「Internet Security News Network(ISN)」というコードネームで呼ばれ、AT&T Labsで開発中だ。向こう9〜12カ月以内にAT&T顧客に付加サービスとして提供されるという。
ISNはインターネットだけで放送されるという点を除けば、Time WarnerのCNNに似ている。「新たな攻撃が起きたときに、絶えず最新情報やアドバイスを提供できる」とAT&T Labsのホセイン・エスラムボルチ氏は説明する。
ISNはAT&Tセキュリティ専門家のほか、ネットワーク機器ベンダーや米国土安全保障省のコンピュータ緊急対応チーム(US-CERT)などさまざまな組織の専門家のインタビューを目玉とする。テレビニュースの株価情報のように、最新のセキュリティ脆弱性のニュースがずっと画面の下部に流れる。
AT&Tは自社の巨大なTCP/IPネットワークの調査から得られた独自のセキュリティ脅威分析も提供する。このネットワークは攻撃者がいつどこで新しい攻撃を仕掛けるかの予測に役立てられる。
ISNはネットワークを攻撃から守る新たな方法を構築するAT&Tの研究開発計画「Cyber Security Defense Initiative」の一部。エスラムボルチ氏はこの計画を、ロナルド・レーガン元米大統領の「Strategic Defense Initiative」(スター・ウォーズ計画とも呼ばれた)に例えている。「AT&Tでのわたしの戦略はスター・ウォーズ計画のコンセプトに基づく。わたしが戦っているのはもはや攻撃者との冷戦ではなく、核戦争だからだ。彼らが核ミサイルを作るたびに、わたしは彼らがそれをどこに投下するのかを把握し、新しい防衛メカニズムを考えなくてはならない」
AT&Tは昨年、「Traffic Analysis System」というセキュリティツールを使って、Sasserワームがインターネットに出現する12時間前にそのまん延を予測することができたと同氏は言う。今月には、AT&Tのインターネットバックボーンへの攻撃を難しくするセキュリティツール「Cloaking」を立ち上げる予定だ。
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